国際政治史(読み)こくさいせいじし(英語表記)history of international politics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際政治史」の意味・わかりやすい解説

国際政治史
こくさいせいじし
history of international politics

国際政治の歴史ないしはそれを対象とする研究分野。かつてこの分野の研究は主として外交史という形で行われていたが,これは,ヨーロッパの諸列強の関係を中心とし,戦争,条約,外交交渉などの形に現れた国家対外関係記述重点をおいている点,国家は先験的にその国家的利益を追求するものであり,国際政治の本質もそこにあるとの判断を前提としている点など限界をもっていた。また,国際政治の歴史を政治史一般のなかで扱っても,内政と外交との複雑な関係を浮彫りにできない,諸国家がその対外政策を世界政策として展開しはじめた 20世紀の政治史の特徴を明確にしえない,という結果を生む。「国民外交」といわれるように対外関係が政策担当者のみの関心事でなくなり,また国際政治が世界的規模で有機的一体性をもつにいたった第1次世界大戦後,イギリス,アメリカ,フランスなどにおいて国際政治史という研究分野が確立されたのも,そのような限界に対する反省を基礎にしていた。その後の国際政治史の研究において特徴的なことは,アジアアフリカなどの動向にも大きな関心を払う点,非合理な要素社会体制の要素が重要な役割を果す現代史正面から取上げようとする点,そのために国際政治学との提携を強く意識している点などである。

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デジタル大辞泉プラス 「国際政治史」の解説

国際政治史

岡義武による著作。1955年刊行。1956年、第10回毎日出版文化賞受賞。

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