日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際現代音楽協会」の意味・わかりやすい解説
国際現代音楽協会
こくさいげんだいおんがくきょうかい
1年ごとにその年の新しい音楽作品のエッセンスを発表しあうことを目標に、1922年に創設された国際組織。本部はロンドン。英・独・仏語の三つの表記International Society for Contemporary Music (ISCM)/Internationale Gesellschaft für Neue Musik(IGNM)/Société Internationale de la Musique Contemporaine (SIMC)を正式名称とする。目標実現のために音楽祭を世界各地で順次開催、第1回は23年ザルツブルクで催された。34年ナチスにより対抗組織の国際作曲家組合がリヒャルト・シュトラウスを会長に迎えて設立され、戦火の拡大とともに活動は衰えたが、第二次世界大戦後はふたたび活発な活動が行われるようになり、現代音楽の重要な作品がこの音楽祭で次々に初演された。そのなかにはウェーベルンのカンタータ第2番(ブリュッセル、1950)、ブーレーズの『ル・マルトー・サン・メートル』(バーデン・バーデン、1955)などが含まれている。71年規約を改め、商業主義や政治とは無関係で、各国が対等の権利をもち、とくに小国の現代音楽振興にも寄与するのが目標と定められた。
日本支部として日本現代音楽協会(現音)があるが、同協会は1930年(昭和5)に発足した新興作曲家連盟を母体とし、国際現代音楽協会には35年に加入している。一時除名されたが49年再加盟。2001年(平成13)10月には、協会加盟支部の持ち回りで毎年開かれる音楽祭「世界音楽の日々」が横浜で開催された。
[美山良夫]