日本大百科全書(ニッポニカ) 「土壌鉱物」の意味・わかりやすい解説
土壌鉱物
どじょうこうぶつ
soil minerals
土壌に含まれる一次鉱物と二次鉱物のこと。土壌を構成している粒子の大部分は、もとの母材物質(岩石あるいは砂礫(されき)層)の風化に由来する無機質成分で、それを一次鉱物と二次鉱物に分けることができる。一次鉱物は主として機械的風化作用で細粒化した岩片であり、比較的粗粒のもの(砂やシルトの粒子)からなる。一方、二次鉱物は化学的風化を経て可溶性の化学成分(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)が溶解したあとに二次的に生じたケイ酸塩鉱物や酸化物などの細粒子(粘土)である。一次鉱物は低倍率の顕微鏡で色や結晶の外形から識別でき、その土壌の母材を推定できるもの、また二次鉱物はX線回折や電子顕微鏡によって鑑定され、土壌生成過程の判断に供与される。
[浅海重夫・渡邊眞紀子]