神道説の一つ。平安中期の陰陽道(おんみょうどう)の大家安倍晴明(あべのせいめい)の子孫は代々陰陽頭として朝廷に仕え、室町時代の有修(ありなが)のときより、家名を土御門と称した。その門流は、陰陽道と神道とを習合した独自の信仰と行事とを伝承し、天文、暦数から卜筮(ぼくぜい)、占星、祓禊(ふっけい)、咒禁(じゅごん)、方忌(かたいみ)などの諸方面にわたって、道の最高権威として朝野に勢力を有したが、それが土御門神道あるいは安家(あんけ)神道、安倍神道、天社神道とよばれるのは、江戸時代に土御門泰福(やすとみ)が出てからである。泰福は、1680年(延宝8)山崎闇斎(あんさい)に入門して垂加(すいか)神道を学び、仏教色を排除し、高弟渋川春海(はるみ)(安井算哲(やすいさんてつ))の援助を得て、家伝を神道として整理・大成し、朝廷の職掌にあずかった誇りを踏まえて、独自の意義を主張しようとした。
[谷 省吾]
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