地蔵峰寺(読み)じぞうぶじ

日本歴史地名大系 「地蔵峰寺」の解説

地蔵峰寺
じぞうぶじ

[現在地名]下津町橘本

熊野街道藤白ふじしろ峠を少し南に下った所にある。天台宗で、藤白山延命院と号する。本尊地蔵菩薩開基は不詳であるが、「峠の地蔵さん」の名で知られるように、熊野街道の峠にある地蔵として信仰されたものであろう。本尊の石造地蔵菩薩坐像(国指定重要文化財)の背銘に「勧進聖楊柳山沙門心静 元亨三年癸亥十月廿四日 大工薩摩権守行経」とある。本堂(国指定重要文化財)は正面側柱に「永正十」の字が刻まれる。明確な資料はないが、様式上から室町中期の建立とされる。本尊の安置された鎌倉末期には、八角形の覆屋程度の建物であったことが近年の発掘によって推測されている。勧進聖心静については不明であるが、楊柳山は現和歌山市黒岩くろいわにあった楊柳山宝光ほうこう寺のことで、その僧であったらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む