地蔵縁起絵巻(読み)じぞうえんぎえまき

世界大百科事典 第2版の解説

じぞうえんぎえまき【地蔵縁起絵巻】

地蔵菩薩による救済の諸相を主題とした絵巻。鎌倉時代以降の優れた遺作が多くのこる。六道の衆生を済度する菩薩として,地蔵菩薩は特に中世において民衆の間で広い信仰を集め,その造像も盛んに行われた。そして特定の寺院地蔵尊の由来を説く縁起や,中国,日本のさまざまな地蔵の霊験談を集めた《地蔵菩薩霊験記》が作られ,絵巻化された。前者の代表例としては鎌倉時代の《矢田地蔵縁起》2巻(京都矢田寺)があげられよう。満米聖人が地獄で生身の地蔵に会い,その姿を彫って矢田寺を開いた由縁と,あやまって母を殺した武者所康成がその死後,日ごろ信仰していた矢田寺の地蔵によって地獄から救い出される霊験譚を内容としている。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

じぞうえんぎ‐えまき ヂザウエンギヱまき【地蔵縁起絵巻】

[1] 〘名〙 地蔵菩薩の信仰の栄えた鎌倉時代に盛んにつくられた地蔵霊験を題材とした絵巻物。中国の地蔵霊験物語を集めたものと、諸寺の地蔵堂本尊の縁起を内容とするものに大別される。
[2] 絵巻物。残欠。一巻。鎌倉時代の作。伝巨勢(こせ)有家画。中国の地蔵説話を題材として宋画風の描法でかかれている。東京国立博物館蔵。

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