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地質構造線 ちしつこうぞうせんtectonic line

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地質構造線
ちしつこうぞうせん
tectonic line

地表から地殻の下部あるいはマントル上部にまで達するような深い亀裂の延長が,延々と地表に見られる大断層線を地質構造線,または単に構造線という。日本では西南日本を横断する中央構造線や中部日本を横断する糸魚川-静岡構造線,あるいはアメリカ合衆国カリフォルニア州を北西から南東に横切る大断層であるサンアンドレアス断層などは地質構造線ということができる。
地質構造線は地質図あるいは地形図上で巨視的に見れば一つの線で表わされるが,実際に野外で観察すると,多くの断層が雁行したり並行したりする断層帯になっていることが多い。そして,全体の規模は通常の断層に比較して桁違いに大きく,その延長はしばしば 100kmをこえる。
中央構造線の場合をみると,諏訪湖から九州西岸までの延長は 800km,構造線に沿って地下深所の火成活動でできた深成岩やミロナイトと呼ばれる圧砕岩がみられ,しばしば横ずれ断層 (→傾斜走向断層 ) や活断層も発達し,古くから繰返し活動してきたことが知られる。構造線の北側は西南日本内帯と呼ばれ,花崗岩類が広く露出し,南側は西南日本外帯と呼ばれ,中生代以降の地層が著しく褶曲 (しゅうきょく) した褶曲帯が形成され,構造線に沿っては北側に片麻岩類,南側に三波川変成岩類が分布するというように広域変成作用がみられ,両側の地質構造と地殻変動の様式が大きく異なっている。糸魚川-静岡地質構造線の場合も,日本海沿岸の糸魚川から諏訪湖を経て静岡までの延長は 250km,同じく並行する断層群から成り,ところによって横ずれ活断層が発達し,構造線の西側は古第三紀以前の地層と深成岩類を主体とし,東側は著しく褶曲した厚い新第三系が発達してフォッサ・マグナ Fossa Magna (大きな裂け目の意味) 地帯と呼ばれるように,ここでも構造線の両側で地質構造と地殻変動の様式が大きく異なる。両構造線については,これまでに大きな地震を起した記録はないが,地質構造線は上述したように地質構造区の境界をなしている場合が多い。
サンアンドレアス断層は延長約 1000km,断層の西側が東側に対して北へずれる右横ずれ断層で,カリフォルニア湾をつくり,断層両端の東太平洋海膨を食違わせているので,プレート境界の一つを表わすトランスフォーム断層と考えられている。中生代以来の地層のずれからみると,平均変位速度は約 2cm/年といわれ,これまでにもときどき大規模な直下型地震を起してきた。

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百科事典マイペディアの解説

地質構造線【ちしつこうぞうせん】

単に構造線とも。断層のうちその両側の地域の地質が著しく異なる場合を,両地域の境界線をなすという意味で地質構造線という。したがってそれは一般に大断層である。たとえば中央構造線糸魚川‐静岡構造線など。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

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