サンアンドレアス断層(読み)サンアンドレアスダンソウ(英語表記)San Andreas fault

デジタル大辞泉 「サンアンドレアス断層」の意味・読み・例文・類語

サンアンドレアス‐だんそう【サンアンドレアス断層】

San Andreas Fault米国の太平洋岸沿いに北北西から南南東に走る長さ1000キロ以上の大断層。断層の西側が東側に対して北にずれた右横ずれ断層で、断層運動は今も続いている。トランスフォーム断層の一つとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「サンアンドレアス断層」の意味・読み・例文・類語

サンアンドレアス‐だんそう【サンアンドレアス断層】

  1. ( サンアンドレアスはSan Andreas ) アメリカ合衆国カリフォルニア州を縦断する大断層。長さは一〇〇〇キロメートル以上におよぶ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンアンドレアス断層」の意味・わかりやすい解説

サンアンドレアス断層
サンアンドレアスだんそう
San Andreas fault

北アメリカ大陸の西端にある大規模な断層カリフォルニア湾北端から北西に向かって,アメリカ合衆国のカリフォルニア州西部を 1300km以上にわたって走る。この断層の活動に伴い,サンフランシスコをはじめとする周辺都市は大規模な地震にたびたび見舞われる。1906年のサンフランシスコ地震,1989年のロマプリエタ地震,1994年のロサンゼルス郊外のノースリッジ地震が代表的なものである。サンアンドレアス断層はプレートテクトニクスの理論でいうトランスフォーム断層で,中央海嶺にあたる東太平洋海膨と東北太平洋の海嶺の間の連なりがずれて,太平洋プレートと北アメリカプレートの二つの主要なプレート同士が右横ずれ方向にすれ違っている。二つのプレートの相対的な動きは,地質時代を通じて年間約 1cmであったが,20世紀初頭以降,年間 4~6cmと活発になっている。1906年の地震では断層線の一部が 6.4mも動いた。カリフォルニア州の人口の大部分はサンアンドレアス断層の周辺に住み,いくつかの都市や町,住宅,道路は断層の上に建設され,湾岸高速鉄道システム BARTトンネルも貫通している。地震被害を回避するため,道路や橋梁補強,免震構造を備えた建物の建設などさまざまな対策がとられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンアンドレアス断層」の意味・わかりやすい解説

サンアンドレアス断層
さんあんどれあすだんそう
San Andreas fault

アメリカ合衆国カリフォルニア州を北北西―南南東に走る長さ1000キロメートル以上の右横ずれ断層。北アメリカプレートと太平洋プレートの境界をなすトランスフォーム断層と考えられている。また、新生代古第三紀漸新世(ぜんしんせい)の活動開始以来、総変位量は300キロメートル以上になるといわれている。

 この断層沿いには現在でも活発な地震活動が続いており、1989年のロマプリータ地震(マグニチュード7.1)や1994年のノースリッジ地震(マグニチュード6.8)では高速道路などに大きな被害が出た。地震に伴って現れた右横ずれ断層運動が、地表オレンジ果樹園でのオレンジの木の並びの食い違いで直接観測されたり、断層に沿って河川が屈曲しているところもある。また地震を伴わず、ゆっくりと地表が右横ずれに運動するクリープ現象も一部で観察されている。

[伊藤谷生・村田明広]

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改訂新版 世界大百科事典 「サンアンドレアス断層」の意味・わかりやすい解説

サン・アンドレアス断層 (サンアンドレアスだんそう)
San Andreas Fault

アメリカ,カリフォルニア州のほぼ全域を南北に縦走する,世界でも最も活動的な断層の一つ。北端はメンドシノ岬から南端はカリフォルニア湾まで,長さ1400kmに及ぶ。分岐・並走する副断層群を含めて,サン・アンドレアス断層系とも呼ばれる。右横ずれ断層で,断層運動は白亜紀末ころから始まり,最大変位量は500~600kmといわれる。現世には平均2~4cm/年という大きな速度で運動している。1906年のサンフランシスコ地震の際,延長約430kmにわたり,最大約7mに及ぶ断層変位が地表に現れて有名となり,地震発生における弾性反発説や,活断層という概念を生むきっかけになった。その後も地震の際に一部が活動したほか,地震を伴わずに断層運動が常時進行している部分のあることでも著名。アメリカの地震予知観測網の大部分は,この断層系に集中している。近年,この断層はプレートの境界をなすトランスフォーム断層であることが知られている。
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百科事典マイペディア 「サンアンドレアス断層」の意味・わかりやすい解説

サン・アンドレアス断層【サンアンドレアスだんそう】

米国,カリフォルニア州にあって海岸とほぼ平行に走る長さ約1400kmの大断層。現在も活動を続け,1906年のサンフランシスコ地震の時に最大7m,1940年の地震の時に最大5mのずれを生じた。地質構造の研究によると,第三紀初めから現在までに560kmずれ動いたという。地震を伴わずに断層運動が常時進行している部分もある。この断層はプレートの境界をなすトランスフォーム断層であることがわかった。
→関連項目世界地溝系断層ミロナイト

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