構造線(読み)コウゾウセン(英語表記)tectonic line

デジタル大辞泉 「構造線」の意味・読み・例文・類語

こうぞう‐せん〔コウザウ‐〕【構造線】

地質構造上、2地区に区分できるような大規模な断層中央構造線など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「構造線」の意味・読み・例文・類語

こうぞう‐せんコウザウ‥【構造線】

  1. 〘 名詞 〙 地殻運動によってできた大規模な断層線。隣り合う二つの地質構造は著しく異なる。東北日本西南日本を区分するフォッサ‐マグナ、西南日本を内帯外帯に分ける中央構造線など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「構造線」の意味・わかりやすい解説

構造線
こうぞうせん
tectonic line

地質学の用語の一つ。地殻は、プレート運動、花崗(かこう)岩などの広範な貫入火山帯の形成にみられる火成活動、山脈規模の重力滑動などによって、つねに変形し破壊にさらされている。その結果は大小の断層として地表にも現れている。これらの断層のなかでとくに大規模なもの、すなわちその延長が100キロ~数千キロメートルに及ぶ大断層を構造線とよぶことがある。地質学では古い用語なのだが、中央構造線、仏像構造線のように断層名として定着しているものは、現在でも使われている。欧米ではそのような大断層であっても単に「○○断層」「○○衝上(しょうじょう)断層」などとよぶのが一般的である。また、地表においては認められないが、重力異常磁気異常などによって地下に大断層が推定される場合、それを○○線とよぶことが多い。このような大断層による地層のずれの量は一般に数キロ~数百キロメートルにわたるため、断層を境にしてまったく性質(岩種、時代、地質構造など)の異なる地層が接することになる。大断層には、横ずれ断層、衝上断層逆断層正断層などがある。構造線には1億年以上にもわたる運動史をもつものもあり、その間にずれ方がさまざまに変化する場合がある。

 日本における構造線としては中央構造線がもっとも有名であり、1億年以上にもわたる運動史のなかで、白亜紀中期~後期の衝上断層、白亜紀最後期の正断層、古第三紀の成分をもった左横ずれ断層、第四紀の右横ずれ断層など、変位の向きがさまざまに変化してきた。このほかに地表に現れているものとしては、秩父帯(ちちぶたい)と四万十(しまんと)帯の境界をなす衝上断層としての仏像構造線、衝上断層、横ずれ断層などが複合した糸魚川(いといがわ)‐静岡構造線などがあり、地表には現れていないが重力異常によって推定されるものとしては盛岡‐白河線がある。

[吉田鎮男・村田明広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「構造線」の意味・わかりやすい解説

構造線【こうぞうせん】

地質構造線

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

岩石学辞典 「構造線」の解説

構造線

岩石の構成物の配列に平行な線[Naumann : 1849].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「構造線」の意味・わかりやすい解説

構造線
こうぞうせん

地質構造線」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android