塩麹(読み)シオコウジ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩麹」の意味・わかりやすい解説

塩麹
しおこうじ

麹に塩と水を加え、発酵させた調味料。塩糀とも表記する。日本の伝統的な調味料の一つで、古くから野菜などを漬けるための漬け床として、東北や北陸地方を中心に使われている。麹は、米や麦を蒸してから寝かせ、麹菌を繁殖させた米麹や麦麹を使う。つくるときは、混ぜ合わせた材料を毎日攪拌(かくはん)しながら、常温で10日間ほど寝かせて熟成させる。発酵が進むと、塩気甘みが加わり、完熟した果実のような香りを含むようになる。肉や魚、野菜などの表面に塗ったり、漬け床にして漬けたりすると、麹に含まれる酵素の働きでデンプンやタンパク質が分解されることによりアミノ酸などが生じ、うま味の成分が強められるほか、食材の歯ごたえを柔らかくする効果がある。一般的な塩漬けのように、保存性も高められる。

 近年、みそや酢をはじめとする醸造製品多くは、健康促進や老化を防ぐ効果が注目されてどれも人気が高い。塩麹は、2011年(平成23)に料理を題材にした漫画や書籍で紹介されたことをきっかけに、一般によく知られるようになった。以降、多くの製品が販売されるようになり、塩麹専門の料理本多数出版されているほか、うま味成分に着目した美容健康法話題を集めている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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