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 こうじ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


こうじ

米,大麦,大豆などの雑穀を蒸煮して,あらかじめ培養しておいた麹菌の胞子を植付け繁殖させたもの。麹菌の繁殖により各種の酵素ができ,デンプンや蛋白質が分解される。麹の性質を利用して醸造食品がつくられるが,利用の目的により麹原料も異なる。

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デジタル大辞泉の解説

きく【麹】[漢字項目]

[音]キク(漢) [訓]こうじ
こうじ。「麹塵(きくじん)
酒。「麹君・麹車」

こうじ〔かうぢ〕【×麹/×糀】

《「醸立(かむたち)」の略「かむち」の音変化》米・麦・大豆などを蒸し、室の中にねかせてコウジカビを繁殖させたもの。醤油みりんなどの醸造に用いる。
[補説]「糀」は国字。

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百科事典マイペディアの解説

麹【こうじ】

米,麦,大豆等の穀類やふすま,ぬか等をよく浸水し蒸してコウジカビを適当に繁殖させたもの。酒・みそ・醤油等の醸造,甘酒・漬物・菓子等の製造に使用。黒褐色の黒麹は泡盛(あわもり)や焼酎(しょうちゅう)に,紅色の紅麹は紅酒(ホンチュウ)等中国の高級酒に使用される。

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栄養・生化学辞典の解説

 コメ,ムギ,ダイズコムギふすまなどに麹菌を接種して増殖させたもの.麹菌としては,[Aspergillus oryzae]や,黒麹といわれる[A. awamori],[A. niger],[A. saitoi]などがある.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


こうじ

米、麦、大豆などの穀物や、穀物精白の際に生じた糠(ぬか)やふすま()にコウジカビを繁殖させたものを一般に麹という。酒をつくる際、原料の穀類を口中でかんで容器に吐き出して唾液(だえき)アミラーゼで糖化したことから、麹の古語「かむだち」が生まれ「かむち」→「かうぢ」と変化したといわれる。また一説には、「かびたち(黴発)」を語源とするともいう。[河野友美・山口米子]

歴史

麹の歴史は古く、清酒の原型は『日本書紀』に記載されていることから、当時すでに麹はあったものと思われる。しかし、現在のような清酒が生まれたのは江戸時代であるから、酒造用の麹も、この時代に、いまのようなものが完成したと考えてよいだろう。大豆の麹は豆みそ用に使用されるが、これは、蒸した大豆を搗(つ)きつぶして、団子状に固めて玉にして吊(つ)るしておき、自然にコウジカビが付着して麹になるところから、非常に古くから利用されていたと思われる。また、麦やなどを麹にしたものは、室町中期ごろに始まったしょうゆ醸造に利用されていたとみられる。[河野友美・山口米子]

原料と種類

麹には多くの種類があるが、おもなものは次のとおりである。
(1)黄麹 蒸し米を材料にしてつくる麹で、清酒、みそ、しょうゆを製造するときに使う。日本独特のものである。この麹はアスペルギルス・オリゼーというカビが用いられる。このカビが繁殖すると初期に黄色の胞子をつくり、全体が黄色を呈するので黄麹の名がある。糖化酵素のアミラーゼが、醸造食品の原料、たとえば清酒では米を糖化する。甘酒ができるのもこの糖化力による。
(2)黒麹 黒い麹で、菌種はアスペルギルス・アワモリである。泡盛(あわもり)や焼酎(しょうちゅう)のもろみづくりに利用する。
(3)紅麹 真紅の美しい色をした麹で、モナスカス・アンカーが菌種である。中国の高級酒や台湾での紅酒(アンチウ)に用いる。
(4)(きょくし) 小麦粉や、とうもろこし粉を練り固めてつくったれんが状の麹。クモノスカビをはじめ、各種の菌種の混合である。中国酒の原料に用いられる。
(5)小麦麹 炒(い)り粉砕小麦、あるいはに菌種を繁殖させてつくった麹で、しょうゆ製造に用いる。タンパク質消化酵素のプロテアーゼ作用が非常に強い。
(6)糠・麹 糠やでつくった麹で、アルコールや酵素剤の製造に用いられる。[河野友美・山口米子]

製法

日本の代表的な麹である黄麹の作り方は次のとおりである。原料の米は精白し、吸水後十分に蒸す。蒸し上がったものを放冷して種麹を散布し、均質に混合する。これを一定温度に保った室(むろ)に、浅い木箱の麹蓋(ぶた)に盛って積み重ねる。2~3日し十分に麹菌が繁殖したところで、室から取り出す。これを「出麹(でこうじ)」という。麹は、乾燥後に放冷させてコウジカビの発育を止める。出麹までの期間は2~3日で、菌が繁殖中で、その勢いがもっとも盛んなときには40~43℃の温度に達する。米麹は、清酒用のほか、米みその主材料としても使用される。しょうゆでは、炒って砕いた小麦、あるいはに麹菌をつける。豆みそでは、大豆を蒸して丸めた玉につける。麦みそでは、大麦または裸麦(はだかむぎ)に麹菌をつける。
 麹作りでは、コウジカビが増殖しやすいようにするとともに、他の雑菌が入らないように、通常、麹室をつくる。麹室は、外界と遮断するだけでなく、室内の空気、温度、湿度などもコントロールすることによって、よい麹をつくることができる。[河野友美・山口米子]
『小泉武夫著『光琳テクノブックス1 麹カビと麹の話』(1984・光琳) ▽村上英也編著『麹学』(1986・日本醸造協会) ▽日本醸造協会編・刊『分子麹菌学 麹菌研究の進展』(2003)』

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