境河岸(読み)さかいがし

日本歴史地名大系 「境河岸」の解説

境河岸
さかいがし

[現在地名]境町本船町など

利根川北岸に設けられた河津。江戸初期に現五霞ごか川妻かわつまから境町付近まで赤堀あかぼり川が開削され、これによって利根川上流は常陸川と結ばれて現千葉県銚子市へ流れるようになった。さらに対岸関宿城下(現千葉県東葛飾郡関宿町)から現在の江戸川上流部分が利根川の分流として開削され、境町は舟運の中継地としての機能をもつようになり、境河岸が成立した。川に接した舟戸ふなとから東へ中宿なかじゆく・上中宿・上宿に河岸問屋が集中していた。陸奥出羽下野・常陸各地から利根川・鬼怒川筋の河岸を通して送られてくる荷と江戸からの荷の中継地となり、境町も日光東街道による陸上交通の拠点となった。河岸問屋としては、早くから青木兵庫家と小松原五右衛門家があり、宝永三年(一七〇六)の明細指出之帳(小松原康之助文書)によれば河岸問屋二軒があり、干鰯問屋四軒は元禄一四年(一七〇一)に設置。灰塩問屋は銚子方面や江戸川筋の行徳ぎようとく(現千葉県市川市)小松川こまつがわ(現東京都江戸川区)商人と取引していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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