担保権成立後さらに新たな担保目的物を追加的に担保権者に提供すること。追加担保ともいう。銀行取引などにおいては,抵当目的物の滅失・毀損などにより被担保債権(貸付債権)の経済的価値の確保に不安が生じた場合にも,特約により増担保を確保して取引関係を継続することが多い。例えば,現行の銀行取引約定書ひな型第4条(1)は〈債権保全を必要とする相当の事由が生じたときは,請求によって,ただちに貴行の承認する担保もしくは増担保を差入れ,または保証人をたてもしくはこれを追加します〉と定めている。しかしこのような特約がない場合に,担保権者は担保権の侵害等による信用不安を理由として増担保を請求できるかどうかについては,一定の要件のもとにこれを認めるべきであるとの有力な学説が主張されており,立法例でも,フランス民法やドイツ民法は,抵当目的物の滅失・毀損ないし損傷の場合につき抵当権者の増担保請求を認めている。
執筆者:東海林 邦彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
担保が提供されたあとに、担保物が滅失したり、損傷したり、また値下がりしたりして、担保が不十分になった場合に、担保の目的物を増加すること。この請求(増担保の請求)を債権者は当然にできるわけでなく、特約がある場合にできるにとどまる。担保設定契約にこのような特約が設けられることは、かなり広く行われている。明示の特約がない場合にも、たとえば黙示の特約があるというようにして、増担保の請求を認めようとする考え方が強い。というのは、債務者が担保物を滅失ないし損傷させ、または減少したりした場合には、債務者が期限の利益を喪失する(民法137条)結果として、担保権者はただちに担保権を実行できることになるが、担保権を実行して信用関係を破壊してしまうよりも、金銭消費貸借関係を存続させるほうが当事者に有利である場合もあるからである。
[高橋康之・野澤正充]
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