墨書(読み)すみがき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「墨書」の解説

墨書
すみがき

日本の古代・中世絵画において線による下がきや決定的な構図描線,あるいは彩色上に施された描き起しなどを広く意味する技法用語。これらは東洋の絵画制作過程における最も重要な技術で,工房制作の場合,主任画家がこれを担当した。平安時代宮廷絵所 (えどころ) の職制では,主導的な画家の地位をも「墨書」と呼び,競争試験を行なってに選任することも行われた。

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デジタル大辞泉「墨書」の解説

すみ‐がき【墨書(き)/墨描(き)】

[名](スル)
墨でかくこと。また、墨でかいたもの。「―した図面
日本画で、下絵として墨で輪郭を描くこと。また、仕上げのき起こしなどで描線を生かす技法。
平安時代、宮廷絵所えどころの職制で、主任画家の称。作画上、2の技法が重要視されたところからいう。

ぼく‐しょ【墨書】

[名](スル)墨で書くこと。また、その書いたもの。「座右の銘墨書する」

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精選版 日本国語大辞典「墨書」の解説

ぼく‐しょ【墨書】

〘名〙 墨で書くこと。また、その書いたもの。
※菅家文草(900頃)一二・為藤相公、亡室周忌、法会願文「奉墨書金光明経一部四巻、〈略〉般若心経各一巻」 〔荀勗穆天子伝

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普及版 字通「墨書」の解説

【墨書】ぼくしよ

墨書き。〔穆天子伝の序〕古穆天子傳は、~皆竹、素絲にてむ。~の長さ二尺四寸、を以て書し、一四十字。

字通「墨」の項目を見る

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世界大百科事典内の墨書の言及

【絵所】より

…これら御書所に近接した絵所の配置は,律令の伝統,さらにさかのぼって中国唐代の官制として知られる修賢院書院と直院・画直からの影響が推測される。さて,9世紀末にその存在が確認される宮廷の絵所は,《西宮記》によれば五位蔵人の別当と預(あずかり)などの官人のほかに,墨書(すみがき),内豎(ないじゆ),熟食(じゆくしよく)が加わった公的な絵画制作の機関であった。この職制のうち,預は絵画活動の事務責任者であったが,墨書は大勢の絵師のなかから画技の巧拙によって選抜された制作主任と考えられる。…

※「墨書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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