変易(読み)へんやく

精選版 日本国語大辞典 「変易」の意味・読み・例文・類語

へん‐やく【変易】

〘名〙 (「やく」は「易」の呉音連声で「へんにゃく」とも)
※舎利講式和讚(1111頃)「一切衆生ことごとく、常住仏性備はれり、仏は常に世にゐます、実には変易ましまさず」 〔北本涅槃経‐二七〕
法華義疏(7C前)二「昔日只就分段故。云滅度。而今猶有変易。故実不滅也」

へん‐えき【変易】

〘名〙
① 変わること。また、変えること。変更変改。へんやく。
万葉(8C後)五・沈痾自哀文「孔子曰 受之於天、不変易者形也」
徒然草(1331頃)九一「無常変易のさかひ、ありと見るものも存せず」 〔楚辞離騒
② 易の三名の一つ。易はわかりやすい道理をいい、万古不易の道理をいうとともに、変化理法を説くとする場合の称。転じて易のこと。
※土井本周易抄(1477)一「易は変易ぞ一陰一陽春夏秋冬たがいに変易せいでは天地人理叶はぬと云心ぞ」 〔鄭玄‐六芸論〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「変易」の意味・読み・例文・類語

へん‐やく【変易】

連声れんじょうで「へんにゃく」とも》
へんえき(変易)」に同じ。
変易生死へんやくしょうじ」の略。

へん‐えき【変易】

[名](スル)変わること。また、変えること。へんやく。
「その形はまたと―することがない」〈有島・惜みなく愛は奪ふ

へん‐にゃく〔‐ヤク〕【変易】

へんやく(変易)」の連声れんじょう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「変易」の読み・字形・画数・意味

【変易】へんえき

かわる。〔周易正義、易の三名を論ず〕易乾鑿度(えきゐけんさくど)に云ふ。易は一名にして三義を含む。謂(いはゆる)易なり、變易なり、不易なり。

字通「変」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android