家庭医学館 「外耳道湿疹」の解説
がいじどうしっしん【外耳道湿疹 Eczema of External Ear, Ear Canal Eczema】
外耳道から外耳孔(がいじこう)(耳の孔(あな)の入り口)にかけて皮膚がただれたり、じくじくしたりする状態をいいます。近くにある湿疹が波及しておこることもありますし、中耳炎(ちゅうじえん)などの耳だれや薬品をつけたための刺激などが原因のこともあります。
[症状]
ひどいと、外耳孔周囲のかぶれ、耳だれが乾いたための痂皮(かひ)(かさぶた)などが見られます。
かゆみが強く、細菌が感染すると痛み、腫(は)れてくることもあります。
[治療]
まず原因を見きわめて、これを除きます。
一般に副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン軟膏(なんこう)の塗布が有効ですが、感染をともなう場合には、抗生物質・副腎皮質ホルモン混合軟膏の塗布とともに、抗生物質の内服も必要になります。ビタミンC・B2・B6の内服も有効です。
乳幼児は、手指でかきむしり、ただれに感染がともなって、いっそうひどくなることも少なくありません。早めに耳鼻咽喉科(じびいんこうか)を受診しましょう。
がいじどうしっしん【外耳道湿疹 Eczema of External Ear, Ear Canal Eczema】
外耳道の皮膚にできる湿疹で、びまん性外耳道炎(「びまん性外耳道炎」)、急性限局性(げんきょくせい)外耳道炎(「急性限局性外耳道炎/耳癤」)と同じ刺激によっておこります。
顔面や頭部の湿疹と同時にできることもあります。
[症状]
耳のかゆみ、耳のつまる感じのほか、サラサラとした漿液性(しょうえきせい)の分泌物(ぶんぴつぶつ)が出ることもあります。
[治療]
副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン軟膏(なんこう)を塗ります。かゆみが強ければ、抗ヒスタミン薬の内服を追加します。
[予防]
限局性外耳道炎と同じ注意を守りましょう。