急性限局性外耳道炎/耳(読み)きゅうせいげんきょくせいがいじどうえんじせつ(英語表記)Furuncle of the External Auditory Canal, Localized External Otitis / Ear Furuncle

家庭医学館 「急性限局性外耳道炎/耳」の解説

きゅうせいげんきょくせいがいじどうえんじせつ【急性限局性外耳道炎/耳 Furuncle of the External Auditory Canal, Localized External Otitis / Ear Furuncle】

[どんな病気か]
 耳掃除(みみそうじ)(指の爪(つめ)、耳かき)の際の小さな傷、中耳炎(ちゅうじえん)の耳だれ、海水浴入浴などの際の水の刺激による外耳道毛嚢炎(もうのうえん)が急性限局性外耳道炎で、外耳道の外側3分の1の軟骨部外耳道(なんこつぶがいじどう)におこります。
 これがひどくなって、膿瘍(のうよう)(膿(うみ)のかたまり)ができたものを耳癤(じせつ)といいます。急性限局性外耳道炎は夏におこることが多く、糖尿病の人は耳癤になりやすいものです。
[症状]
 耳の痛みが激しく、物をかんだりして顎関節(がくかんせつ)を動かすと痛みが強くなります。ときに歯、頭頂部に痛みが放散することがあります。
 耳介(じかい)を引っ張ったり、耳の孔(あな)の前にある飛び出し(耳珠(じしゅ))を押したりすると痛みが強くなるのも特徴です(耳介牽引痛(じかいけんいんつう)、耳珠圧痛(じしゅあっつう))。
 耳鏡検査(じきょうけんさ)を行なうと、外耳道入り口部が赤くなって腫(は)れ、ときには鼓膜(こまく)が見えないこともあります。
[治療]
 抗生物質、消炎鎮痛薬(しょうえんちんつうやく)を内服し、炎症をおこしている外耳道には、抗生物質軟膏(なんこう)を塗ります。
 冷湿布も痛みや腫れを和らげるのに効果があります。
 排膿(はいのう)がおこれば(膿が出れば)耳の痛みは軽快します。
[予防]
 耳をいじったり、ひっかいたりするような刺激を避け、外耳道を清潔に保つことがたいせつです。
 糖尿病の人は、糖尿病のコントロールが大事になってきます。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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