六訂版 家庭医学大全科 「多指・多趾症」の解説
多指・多趾症
たし・たししょう
Polydactyly
(遺伝的要因による疾患)
どんな病気か
先天異常の疾患のなかでは頻度の高いものです。手足の
手では、日本人では
原因は何か
手足の発生に関わる遺伝子の変異が関係する可能性がありますが、個々の患者さんで遺伝子検査が実施されることはありません。染色体異常が原因のことがあります。妊娠中の喫煙などの環境因子との複合作用も考えられます。多くの場合は特定の原因は不明です。染色体異常や先天異常症候群に伴う多指・多趾症は、体の他の部分の先天異常を合併する場合があります。
症状の現れ方
生後すぐ、あるいは胎児期の超音波検査で指の数の異常が認められます。ほぼ完全な形の過剰指が存在する場合から、
検査と診断
診断は視診で容易にできますが、骨の状態をみるために、X線検査を行います。
治療の方法
整形外科あるいは形成外科で治療します。浮遊状であれば糸で
病気に気づいたらどうする
生後、産科で気づかれることが多いでしょうから、専門医を紹介してもらいます。指趾以外に内臓疾患の合併がないか、小児科でも診てもらいます。手術の時期は早ければよいというものでなく、専門医が決定します。安易な切除は機能障害を残す可能性があります。
岡本 伸彦
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報