日本大百科全書(ニッポニカ) 「大中臣本系帳」の意味・わかりやすい解説
大中臣本系帳
おおなかとみほんけいちょう
大中臣氏の系譜帳で、906年(延喜6)成立。1巻。その一部が『中臣氏系図』(『群書類従』巻62「系譜部」)に収められている。同書に載せる延喜(えんぎ)6年6月8日「延喜本系解状(げじょう)」によれば、大中臣安則(やすのり)らは自氏の本系および祖先の由緒事跡を明らかにし、氏姓の疑いを正すため、893年(寛平5)以来14年間、先後の本系帳や各家門の古記録を調査して完成。『新撰(しんせん)氏族本系帳』(1巻)と名づけ、4通を書写、1通を省庫に納め、3通をすでに御食子(みけこ)・国子(くにこ)、糠手子(ぬかてこ)の3系に分かれていた大中臣氏三門に分置保管したという。
[谷口 昭]
『『群書解題 第1巻 系譜部』再版(1976・続群書類従完成会)』