大代村(読み)おおしろむら

日本歴史地名大系 「大代村」の解説

大代村
おおしろむら

[現在地名]鳴門市大津町大代おおつちようおおしろ

備前島びぜんじま村の西にある。阿讃あさん山脈南麓の村で、平野部も南に長く延び、中央を大代谷おおしろだに川がほぼ南に流れている。この川は平野部で新池しんいけ川に入る。中央部をほぼ東西に撫養むや街道(淡路街道)が通り、水陸ともに交通の便がよい。天文二一年(一五五二)一一月七日の阿波国念行者修験道法度写(良蔵院文書)に「大代至願寺」とみえる。慶長二年(一五九七)の分限帳では置塩領で、高二九三石余。同八年徳島藩領となった。正保国絵図でも大代村は高二九三石余。寛文四年(一六六四)郷村高辻帳では田二六三石余・畠二九石余、芝山の注記がある。天和二年(一六八二)の富田藩領地方帳には家臣に給された分として、大代の四四石余があり、同分の物成五三石余、請一一成九分七厘余、外麦八石余、間米二石余。

大代村
おおじろむら

[現在地名]額田町大代

村域南部を水源として北に流れるおと川支流乙女おとめ川に沿って集落が立地。東は雨山あめやま村、西は鳥川とつかわ村、南は上千両かみちぎり(現豊川市)はぎ(現宝飯郡音羽町)、北は栃原とちはら村と各々山で接する山間の村。東海道赤坂あかさか宿(現音羽町)より萩村を経て萩坂はぎざか峠より本村に入る宮崎みやざき往還、別称扇坂おうぎざか往還は江戸時代に上納じようのう街道と俗称され年貢米運搬の主要路であった。千両村より当村に入る往還は杣坂そまさか峠を通る宮崎往還がほかにある。

中世は雨山村・鳥川村と同じく本宮ほんぐう砥鹿とが大明神との関係で砥鹿庄に属したと考えられる。

大代村
おおじろむら

[現在地名]金谷町大代

横岡よこおか村の西に位置し、村の中央部を大代川が南東流する。同川が流れ出る東部を除く三方は山に囲まれる。大治四年(一一二九)頃と推定される年月日未詳の質侶牧四至注進状案(陽明文庫蔵宗性筆最勝講聴衆記紙背文書)に大白村とみえ、質侶しとろ牧質侶郷内一一ヵ村の一つにあげられている。文禄二年検地高目録では高一五四石余。寛永二一年(一六四四)掛川藩領となる(同年掛川領三万石郷村高帳)正保郷帳では田方一四五石余・畑方四六石余、掛川藩領。元禄郷帳では高三〇二石余、幕府領(国立史料館本元禄郷帳)。享保郷村高帳では幕府領掛川藩預地。旧高旧領取調帳では幕府領三〇三石余、ほかに安養あんよう寺除地二斗余・久昌きゆうしよう寺除地二石六斗余・法昌ほうしよう院除地四石七斗余・白山社除地三石六斗余などがある。

大代村
おおしろむら

[現在地名]多賀城市大代・大代一―六丁目・笠神かさがみ五丁目、塩竈市牛生町ぎゆうちよう芦畔町あしぐろちようなど

現多賀城市の東端に位置し、村域の一部は現塩竈市に及ぶ。北は塩竈村および塩竈湾、東はしちヶ浜(現宮城郡七ヶ浜町)。村の東部を舟入堀が縦断。留守分限帳(留守文書)の「御館之人数」に「深田肥前守 千八百かり、二貫三百地、たかのこう町さいけ一間、半在家、かい地二千七百かり、大しろ、以上十一貫三百分」とみえる。永禄一〇年(一五六七)「大代之内太郎丸分弐段之処」が、南宮なんぐう内二三〇苅などとともに郷古和泉に与えられた(四月二日「留守政景宛行状」大島正隆採訪留守文書)。正保郷帳によれば田一〇貫九九文・畑七二〇文、ほかに新田一貫六八二文、旱損と注されている。

大代村
おおじろむら

[現在地名]鳳来町四谷よつや

標高八八二・六メートルの鞍掛くらかけ山の南側から、標高約六〇〇メートルの仏坂ほとけざか峠につづく稜線の西側は、浸食されて広い窪地になっている。この窪地に大代・大林おおばやし布留宿ふるやど(古宿)身平橋みだいらばしの村々がある。慶安元年(一六四八)当村から小代こしろ(現北設楽郡設楽町)・大林・布留宿の各村が分村し、その親郷となる(四谷村誌)

天正一八年(一五九〇)吉田藩領、慶長五年(一六〇〇)徳川氏領、同八年幕府領、慶安元年一三石のみ海老菅沼氏領、享和三年(一八〇三)陸奥国磐城城主安藤対馬守領。

大代村
おおだいむら

[現在地名]山北町大代

西流する小俣おまた川左岸に位置し、上流はいかずち村、下流は小俣こまた村。文禄(一五九二―九六)頃の瀬波郡絵図に「大川分之は 大たい村」とみえ、本納三石五斗二升一合・縄高一一石四斗二升一合、家八軒とある。正保国絵図には「大伏村」とあり、高一〇〇石余。正徳二年(一七一二)の黒川俣組十一ケ村明細帳(板垣家文書)によれば田高六八石七斗余・畑屋敷高二一石四斗余、家数一八、馬四。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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