六訂版 家庭医学大全科 「大動脈肺動脈中隔欠損」の解説
大動脈肺動脈中隔欠損
だいどうみゃくはいどうみゃくちゅうかくけっそん
Aortopulmonary septal defect
(子どもの病気)
どんな病気か
大動脈と肺動脈の間の壁が一部欠けて、穴があいた状態です。「大動脈肺動脈
原因は何か
原因は不明です。胎児期の動脈は総動脈幹という1本の管で、それが次第に真中に壁ができて大動脈と肺動脈に分かれます。この壁が十分にできないと、この病気になるといわれています。
症状の現れ方
通常、欠けた穴(
数カ月~数年の経過をへて、肺そのものの障害が強くなってしまう(高度の肺高血圧)と、肺動脈から大動脈へと逆の流れが生じるため、静脈血が全身にまわりチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)が出現します。息切れや呼吸困難の症状も強くなります。他の心奇形を合併した人は、より進行が早く重症となる可能性があります。なお、欠損孔が小さい人はほとんど症状がない場合もあります。
検査と診断
心エコー(超音波)や、他の画像診断で穴を確認することで診断されます。
治療の方法
心不全症状がある場合、まず利尿薬や強心薬で対応しますが、基本的には穴をふさぐ手術が必要です。
病気に気づいたらどうする
症状の程度により生活の制限があります。まったく症状がなくても、感染性心内膜炎(しんないまくえん)の危険があり、注意が必要です。
長谷川 聡
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報