大名火消し(読み)ダイミョウヒケシ

デジタル大辞泉 「大名火消し」の意味・読み・例文・類語

だいみょう‐ひけし〔ダイミヤウ‐〕【大名火消し】

江戸時代幕府から火消し役を命じられた大名所管の消防団江戸城寛永寺増上寺など市内要所防火に当たり、衣装の美を競い、家名を惜しんで勇敢に働いた。→じょう火消し町火消し

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精選版 日本国語大辞典 「大名火消し」の意味・読み・例文・類語

だいみょう‐ひけしダイミャウ‥【大名火消】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府定火消(じょうびけし)町火消とならぶ江戸の消火組織。幕府は寛永一六二四‐四四)の初年から大名への課役として、江戸城以下の重要建造物をはじめ、大名の藩邸とその付近一帯の消火活動を義務付けたが、消防組織の整備されたのは明暦大火一六五七)以後である。

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世界大百科事典(旧版)内の大名火消しの言及

【桶町の大火】より

…この大火の翌々年9月,幕府は,従来の一部の旗本の番方組織による消火や大名の臨時の軍役的性格をもつ消火出動に加えて,6万石以下の大名16家を4隊に編成し,1万石につき30名ずつ藩邸の武士を動員,1隊が10日交代で常時消防に当たらせることとした。これが大名火消の始まりである。【池上 彰彦】。…

【火消】より

…初期の江戸には消防組織はなく,武家屋敷の火災は大名・旗本が,町屋の火災は町人が当たるという方針が基本で,江戸城の火災については老中・若年寄が番方の旗本を指揮して消火に当たった。
[大名火消]
 江戸最初の大火である桶町の大火の翌々年の1643年(寛永20),幕府は6万石以下の小大名16家を4組に編成し,1万石につき30名の人足を出させて防火に当たらせた。これが大名火消で,それ以前の大火の際,老中奉書によって出動を命じていたのを制度化したものである。…

※「大名火消し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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