防火(読み)ボウカ

デジタル大辞泉 「防火」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐か〔バウクワ〕【防火】

火災の起こるのを防ぐこと。また、引火や延焼を防ぐこと。「防火設備」「防火訓練」
[類語]防水防風風防防暑防寒除霜防雪防湿防砂防潮防臭防腐防毒防食防疫防縮防空

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精選版 日本国語大辞典 「防火」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐かバウクヮ【防火】

  1. 〘 名詞 〙 火災が起こらないように前もって防ぐこと。また、延焼をくいとめること。
    1. [初出の実例]「江戸弄翫中に防火の具を模造し児童も専ら愛之」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二五)

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改訂新版 世界大百科事典 「防火」の意味・わかりやすい解説

防火 (ぼうか)

〈災〉という文字は川(水)と火とで構成されている。両者は,人間生活を豊かにした反面,人間に自然の厳しさを教えることにもなった。火を利用した暮しは,火災を抑止するくふうを怠っては成り立たない。燃えやすい家で都市を造ると大火でその努力は無駄になるし,火事の対策なしに大規模または高層あるいは地下何階もある建物を造ると大量死の発生も覚悟しなければならない。火を防ぐという内容には次の三つの意味がある。(1)火災予防 火事にならないように火気の管理を十分に行うこと。〈火の用心〉という名言は,徳川家康の家臣本多作左衛門が留守宅の妻に書き送った手紙で,〈火の用心。おせん泣かすな。馬肥やせ〉と書いたのが最初といわれる。日本の住宅構造を考えれば,〈用心〉が最も重要な予防対策の一つであることは自明の事実である。(2)消火・防火 火事になっても拡大させないよう消火したり,防火区画を設けて火を抑えたりすること。スプリンクラー設備は有力な消火手段であり,防火戸の閉鎖は火炎や煙の拡散を防ぐために不可欠であることなどがその例である。(3)類焼防止 隣棟など外部で発生した火災から自分の建物を守り,燃え移らせないようにすること。このような性能をもった構造を建築基準法では防火構造と称している。また,類焼する危険のある敷地境界線などからの範囲を法律では延焼のおそれある部分と定義している。これらは,古来大火に悩まされてきた日本で考えられた独特の表現である。

火災安全が防火対象物の構造やそこに設備された機器のみでは保証されないことから生じた対策手法で,防火の面で人間が果たすべき役割に関する内容である。消防計画をたて,消防設備などの保守・点検の実施方法を定めたり,火気の管理や避難誘導,初期消火の役目を決めて避難訓練を定期的に行うことなども含まれる。過去の火災のほとんどは防火管理上の欠陥が関与し,日本の例では千日ビル(大阪,1972),大洋デパート(熊本,1973),川治プリンスホテル(栃木,1980),ホテルニュージャパン(東京,1982)などの大惨事をひき起こしている。一つのビルが多くの用途に使われているもの(複合用途ビル,雑居ビル)では,出火時の警報が遅れがちであるから,共同防火管理体制の的確な運用のあり方は防火上の重要な課題となっている。

都市大火を抑止する抜本的手段は都市の不燃化である。ロンドン,パリ,シカゴ,サンフランシスコなど欧米の諸都市も例外ではなく,耐火建築を増やすことによって大火を撲滅した。これを可能としたのが,地域に応じて建築できる建物の防火上の構造を決めたことである。日本では都市計画法にもとづき市町村が防火地域および準防火地域を指定することとなっている。防火地域は都市の中核的地域で指定されることが多く,建築基準法により多くの人々が集まる一定規模以上の建物は耐火建築物としなければならない地域であり,火に弱い木造の建築は原則として禁止されている。準防火地域では,簡易な耐火建築物でも建築が可能である。木造の屋根を瓦や鋼板でふき,外壁や軒裏をセメントモルタル塗あるいは不燃材料張りとすれば,かなり類焼を防ぐことができる。日本では市街地化区域に建てられる大部分の木造建築がこうした防火木造となっている。過去に頻発した大火も現在ではめったに起こらなくなった。1976年10月29日に発生した酒田大火は例外的ともいえる。

昭和30年代後半から40年代にかけては,経済の高度成長に関連して数多くのビルが建てられ,また,石油化学の発展に代表される素材産業の拡充が多様な新しい建築材料を生み出し,多く利用されたが,そのなかには燃えると有毒ガスを発生するものも多かった。その結果,煙に追いつめられて死亡する惨事が続発した。煙拡散の防止は,ビル管理にかかわる汚染空気の排除とともに,安心できるビル生活を営むための必須の条件となっている。煙が危険な理由は次の二つである。(1)見通し距離の減退 煙はすすや霧状の微粒子から成るため光が散乱したり透過しにくくなる。したがって,避難口誘導灯などが見つけられずに迷い脱出できなくなる原因となる。(2)有毒ガスの存在 火事のときに噴出する煙には,一酸化炭素が多量に含まれているし,酸素も少ない。また羊毛,アクリル樹脂系繊維,絹,ナイロンなど窒素を含有する製品はシアン化合物を発生する危険がある。塩化ビニル樹脂などのハロゲン系物質は刺激性のガスを発生し,この微粒子は強い酸性を示し金属を腐食させるおそれもある。こうした煙を抑止する方法は次の二つである。(1)排煙 圧力差によって煙を排除する方法であり,自然排煙と機械排煙とに分けられる。後者は吸引式と加圧式とがある。火災時に発生する煙の量は膨大であり,風量に十分留意してファンを設ける必要がある。(2)遮煙 シャッターや垂れ壁を降下させて煙の透過を防止したり,電線管,給排水管,換気管,空調ダクトなどが壁や床を貫通する部分の埋戻しを行うことによって煙の漏出を防ぐ方法である。
火事
執筆者:

歴史的に木造建築物の多い日本では,建物自体が燃えることを防ぐ対策と,隣接の建物からの延焼を防ぐ対策が今日まで並行して発達してきた。このため日本では,狭義に延焼防止対策を施した建物を防火建築と呼び,被災しても再使用可能なことが目的である耐火建築と区別している。

木材は,人類に文明をもたらす原動力となった火の燃料であり,また入手と加工が容易な材料であったため,人間の住生活と密接に結びつき,古くから建物の構造材,内装その他多方面に使われてきた。そのうえ木材に限らず,人間が住生活において利用する材料はたいてい可燃物なので,古代から出火の危険は日常的であった。古代ローマの建築家ウィトルウィウスも,安価で施工性のよい木造壁が火災の際に松明(たいまつ)のように燃えることを嘆き,また,隣接した建物からの延焼を防ぐために,外壁に燃えにくい材料を使用するよう主張している。

 このように,他の棟からの火災に延焼しないこと,およびできるだけ出火しにくくすることの二つが建物にとってつねに重要な課題であった。

 人口稠密な西欧の中世都市では,土地をできるだけ有効に利用しようと隣地境界線上に石造もしくは煉瓦造で構造壁が造られ,これが第1の課題である延焼防止のための防火壁としての役割も果たした。パーティ・ウォールparty wallと呼ばれるこの壁は,土地所有者双方から同じ幅の敷地を供出して造るもので,壁の厚さ,高さや費用の分担方法については,規則で定められた。ロンドンでパーティ・ウォールの規則に関する最初の記述が認められるのは1189年である。

 これに対して,木材が豊富で不燃材料に恵まれなかった日本では,近世に至るまで住宅の大半は木造で,延焼を防ぐには隣棟間の距離をできるだけとるしかなかった。しかし,土地の利用度からみて都市では十分な距離をとることは不可能であり,結果として江戸では延焼距離が2kmに及ぶ火災が江戸時代250年間に100回近くもあった(ロンドンではこの期間,同規模の火災は1666年のロンドン大火の1回しか起こっていない)。木造での延焼防止にはほかに,建物の外周を防火的にする,すなわち木材の露出部分を可能な限り少なくする方法があるが,江戸時代に採用された瓦葺き,塗屋(建物の外部に厚さ3~5cm程度に土を塗り回したもの)などの方策は,飛火による延焼は減じたであろうものの,結局,隣棟からの延焼は防げず,火災実験から得られた温度曲線を利用した科学的な防火構造の提案は,昭和初期に至るまでなされなかった。

 一方,第2の課題である出火を防止する方法として,近世以前では,表面をわざと炭化させた木材を使うなど,裸火の影響を受ける部分を不燃化することと,土間へかまどを作って調理するなど,火床を生活の中心から分離させて出火の場合の被害を小さくする以外に方法がなかった。近代には,利用できる材料の増加,機械力・技術力の進展から上述の手法に加えて新しい防火手法が発達した。たとえば,可燃材料に化学的な処理をして燃えにくくすること(難燃処理)や,人がいなくても火災を見つけたり(火災感知器),自動的に消してしまう(自動消火設備)などの手法である。以上の防火手法をまとめて表に示す。

 ところで,現代では建物の高層化に伴い,従来の防火手法だけでは解決できない新たな問題が生じている。すなわち,火災により発生する煙の問題である。高層ビルでは,人・エネルギーの移動および空気調和のために,エレベーター,階段,ダクトなど建物内に縦方向の経路が多く,これらを通じて煙が上方に伝播し,たとえ火炎は及ばなくとも,死亡者の出る火災が増加している。このため,防火に加えて防煙が今後の問題として重要となっている。以下,建物火災の特性と,表の防火手法のうち重要なものについて説明する。

室内火災の進行過程は火が小さな火元からしだいに育っていく時期(成長期),内装材などが着火し急激に燃焼量が増大し,温度が急上昇する時期(フラッシオーバーflush over),それに続く最盛期の3段階に大きく分けることができる。

 成長期は一般には,原因→無炎着火→発炎着火→出火に至る過程で,燃焼性状は火元および可燃物の種類,配置により決まるため千差万別である。たとえば,布団の中のタバコの火からの出火は何時間もかかるが,石油こんろの転倒による出火は瞬間である。火災が成長し,火炎が天井に達するほどになると,炎からの放射や可燃性ガスの増加により,燃焼が加速度的に増大し,室全体が火炎に包まれるような状態となる。これがフラッシオーバーで,この時期に至ると,消火は容易でないし,火災室から噴出する煙は多量のうえに,不完全燃焼による一酸化炭素を含み毒性も高い。このため,後述する火災感知器や自動消火設備は,当然フラッシオーバー以前に作動しなければならない。また,建物内での延焼を防ぐためにも,出火部分の避難が完了し,防火区画の扉など開口が閉ざされるのも,フラッシオーバーまででなければならない。

 フラッシオーバー後,燃焼は供給される酸素(空気)の量によって左右される。すきまが多く,また屋根などが焼け落ちる木造建築では,開口の増加に応じて燃焼量が増加し,温度上昇は激しいが,そのぶん早く燃え尽きて温度降下が始まる(図1)。これに対して周壁や天井などが不燃材でできた耐火建築では,窓など一定面積の開口部から温度差換気によって流入する空気量で燃焼量が制限されるため,わずかずつ室温の上昇する最盛期が長く続く結果となる(図2)。

日本では木造家屋が圧倒的多数を占めるため,隣棟間の延焼をいかに防ぐかが建築防火,都市防火にとっての重要な課題であった。これに対し,標準的な木造家屋での火災温度を定め,これを用いて隣棟が火炎・熱気流から受ける熱量を推定する方法が以下のように定められ,これに従って延焼を防ぐための防火構造が開発された。まず,1930年代に数多くの実物大木造家屋の火災実験が行われ,図3の標準火災温度曲線が求められ,さらに実験結果を検討して,任意の間隔での隣棟の壁面温度と上述の温度曲線の関係が定められた(図4)。図4から任意の隣棟間隔と高さにおける壁面温度の変化を求めることができる。たとえば3m離れた裸木造の家屋が火災になった場合,高さ1.8m(図中の●印)での壁面温度は図3の3級の火災温度曲線に従って変化する。そこで,延焼しないためには,たとえ壁面の温度が木材の発火危険温度である260℃以上に上がっても,モルタル塗などで木材部分の温度は260℃以下に保たれるような構造の壁体とすればよい。この考え方は,〈建築物の木造部分の防火試験方法〉(JIS A 1301)の基本となっている。ただし注意しなければならないのは,延焼の原因となる火炎の接触,熱放射,飛火の3要素のうち,飛火は上述の考え方では考慮されていないことである。

裸火の周囲にある可燃物が小さな火種では燃え出さないようなものであれば,タバコの火の不始末など不注意による火災の進展は抑えられるし,燻焼している間に発見され,消火される確率も増す。この意味で宿泊施設などのシーツやカーテンに難燃(防炎)処理が行われることは宿泊部分からの失火率を下げる効果がある。

 難燃処理のおもな方法としては,不燃性で熱伝導率の小さい皮膜を表面に設ける方法と,可燃材料に薬剤を添加して化学的作用により発炎燃焼を防ぐ方法がある。ただし,材料そのものが不燃になるわけではないので,火災が拡大し,大きな放射源になってしまうと難燃処理に多くを期待することはできない。

統計的に出火場所は無人もしくは人がいても就寝中である場合が多い。このため,火災の発生をいちはやく人に知らせ,初期消火,消防署への通報等で被害を減らそうとする設備が火災感知器である。火災により発生する熱,煙のどちらを感知するかにより構造的に熱感知器と煙感知器の2種類に分かれ,一般に煙感知器のほうが,熱容量の影響を受ける熱感知器より作動時期が早いといわれている。感知器の感度は高いほうが早期に火災を発見できるが,日常生活にはストーブからの発熱,会議室での喫煙など火災初期と類似の現象が多く,感度を上げると非火災報(火災でないのに感知器が作動すること)が増えるなど,早期発見と日常の利便さとが相反する結果となる。この矛盾を解決し,情報の確度を上げるために,複数のセンサーをもつ感知器や情報の時間変化のパターンを判別する手法などが開発されている。

駐車場のように初期消火に失敗すると大火災になる可能性の高い場所や,大型計算機室や美術館のようにひとたび火災になれば致命的な損害を受ける場所には,火災の感知と同時に消火が行われる設備が必要である。このような火災感知と消火の両方の機能をもつ設備を自動消火設備といい,噴出させる消火剤の種類により分類される。19世紀後半から穀物倉庫などに設置された歴史をもつスプリンクラー設備は,統計的にも信頼性の高いものである。その他,駐車場などに使われる泡消火設備,二酸化炭素消火設備,計算機室などに使われるハロゲン化物消火設備などがある。
消火設備

初期消火に失敗して火災がある程度大きくなった段階では,延焼を防ぐ最も有効な方法は,耐火構造の床,壁,天井で出火部分を取り囲み,火災を建物の一部分に閉じ込めることである。このためには,あらかじめ建物も耐火構造の床,壁でいくつかのブロック(防火区画という)に分けておく必要がある。これを建物の防火区画化といい,欠陥なく行われれば延焼を防ぐだけでなく,高層ビルの火災で人命にとって最大の脅威である煙の伝播も防ぐことができるので,単純かつ確実な防火手法のきめ手といえる。ところで,防火区画を形成する隔壁は建物の内部を区切るのであるから,前述のパーティ・ウォールとは異なり,人の出入り,また空気調和用のダクト,給排水管などのために開口部が必ずできる。この開口部が火災時に閉鎖されないと,とくに垂直方向につながった区画(階段室,エレベーターシャフト,ダクト・配管のためのシャフト)は容易に煙の伝播経路となるため,この区画の開口部の処理には十分な注意が必要である。一般に,人間の出入口には防火戸が,またダクトには熱,煙を感知して流路を閉じる防火ダンパーが設置される。
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百科事典マイペディア 「防火」の意味・わかりやすい解説

防火【ぼうか】

火災を防ぐことをいい,広くは,1.火気の管理を行って火災にならないようにする火災予防,2.火事になってもその拡大を防いで火を消す消火,3.外部で発生した火災の燃え移りを防ぐ類焼防止などが含まれる。木造建築物が多い日本では,建物自体が燃えることを防ぐ対策と,隣接の建物からの延焼を防ぐ対策に重点が置かれてきた。古代から火災は日常的だったようで,古代ローマのウィトルウィウスも,木造壁の危険性を指摘して,燃えにくい材料で外壁を作るよう述べている。西欧の中世の都市では延焼防止のために隣地との境界線上に煉瓦造の構造壁が作られ,これが防火壁としての役割を果たした。一方,近世に至るまで住宅の大半が木造建築であった日本の場合,延焼を防ぐには隣家との距離を十分に取るしかなかった。しかし都市部ではそれは不可能であり,結果として江戸時代の江戸だけでも,延焼距離が2kmにおよぶ火事が100回近くも起こっている。もちろん建物の外部に土塗りをしたり,瓦葺きを採用するなどの対策もとられたが,科学的な手法に基づく防火構造が提案されるのは昭和の初期に入ってからのことである。現在,法的には,都市計画法に基づき,市町村が防火地域および準防火地域を指定することになっており,防火地域では建築基準法により,多くの人が集まる一定規模以上の建物は耐火建築物としなければならないと定められている。なお,建物の高層化に伴って,火災に伴う煙の排除や伝播の防止も重要な課題となっている。→火事

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「防火」の意味・わかりやすい解説

防火
ぼうか
fire prevention

火災の発生および拡大を防止すること。火災は,可燃物,酸素および着火源の3条件がそろった場合に発生するが,通常の大気中では酸素の遮断による防火はむずかしいので,物体の不燃化と火気の管理が主体となる。建物などでは不燃材料を用いた防火構造または耐火構造とし,着火源の管理をきびしく,危険の多い場所は火気禁止区域とするなど,火の用心を徹底する。万一出火したときは早期にこれを発見して消火し,火災の拡大を防止するため,火災感知器,手持消火器,各種消防設備,消火用水,防火壁などの諸設備を設けるほか,定期的に防火訓練を実施するなど,防火対象物の種類,規模などに応じた防火対策が必要である。これらは消防法 (昭和 23年法律 186号) およびその関連法令で規定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の防火の言及

【火事】より

…木材の引火温度は260℃前後,発火温度は450℃前後であるが,炎や熱気により木材が260℃前後に加熱されると,熱分解が盛んになり分解ガス(一酸化炭素ガスCO,水素ガスH2,メタンガスCH4など)が多く放出される。そこで建築防火のほうでは,260℃を木材の〈出火危険温度〉として,防火試験などの基準の一つにしている。最近の室内にはプラスチック製品が多く使用されているが,これらが火災により加熱されると,一酸化炭素ガス,炭酸ガスのほか,塩酸ガス,シアンガスなど有害ガスを発生する。…

※「防火」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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