大汝山(読み)おおなんじやま

日本歴史地名大系 「大汝山」の解説

大汝山
おおなんじやま

立山本峰をなす三峰の一。立山本峰中央のピークで標高三〇一五メートル、立山連峰の最高地点。したがって富山県の最高点、北陸地方の最高点である。寛文六年(一六六六)の立山ざら越之図(山岸家蔵)には「御内陳」、元禄一三年(一七〇〇)の立山禅定並後立山黒部谷等絵図(県立図書館蔵)には「大汝」と記載される。そのほか絵図によって「御汝」など表記は多様である。寛文六年の絵図をはじめ多くの絵図には山頂に祠が描かれているが、祠は廃絶し、その跡には石積みや柱根が残り、古釘も散乱している。「和漢三才図会」はこの祠を「白山権現堂」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大汝山」の意味・わかりやすい解説

大汝山
おおなんじやま

富山県南東部、中新川(なかにいかわ)郡立山(たてやま)町にある山。標高3015メートル。雄山(おやま)とともに立山の主峰を構成する。雄山と同じく古期花崗閃緑(かこうせんりょく)岩と、一部は飛騨(ひだ)変成岩で構成されている。雄山神社峰本社の改築の際の遷座の山であった。山頂からの展望はよく、黒部湖眼下に見える。山頂の窪地(くぼち)に避難休憩小屋がある。

[深井三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の大汝山の言及

【立山】より

…奈良時代,越中の国司大伴家持に詠われた〈たちやま〉(《万葉集》)は,劔岳を含めた連峰の総称である。一般に立山というときは,最高峰の大汝(おおなんじ)山(3015m)と雄山(おやま)(2992m)を指すが,これに南側の浄土山(2887m)と北側の別山(べつさん)(2882m)とを加えた立山三山を指す場合もある。立山はいずれも古期の花コウセン緑岩と飛驒変成岩で構成されている。…

※「大汝山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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