天高く馬肥ゆ(読み)てんたかくうまこゆ

  • てん
  • 高(たか)く馬(うま)肥(こ)ゆ

精選版 日本国語大辞典の解説

秋は空が澄みわたって高く晴れ、気候がよいので食欲も増進し馬もよく肥える。秋高く馬肥ゆ。
※春潮(1903)〈田山花袋〉一六「天高く馬肥え、〈略〉此上もない好時節である」

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ことわざを知る辞典の解説

秋は空が澄みわたって高く晴れ、気候がよいので食欲も増進し、馬もよく肥える。秋がさわやかで、心身ともに心地よい季節であることの形容秋高く馬肥ゆ

[使用例] 二人は、〈〉至極穏やかな秋晴れの一日を、悠々として、馬を打たせ行くのであります。天高く馬肥ゆといった注文通りに、一方には海ひろくという偉大な景物を添えているのだから、二人の気象も、おのずから昂然として[中里介山*大菩薩峠|1913~41]

[解説] 中国に由来する表現で、「秋高く塞馬肥ゆ」が「秋高く馬肥ゆ」となり、さらに「天高く馬肥ゆ(る秋)」と言い換えられて、広く使われるようになりました。秋を賛美する表現で、「秋高」「馬肥」は季語としても使われます。しかし、日本のさわやかで牧歌的イメージとは裏腹に、中国では、秋が到来すると、匈奴軍馬が太り、変事が起こるという連想が働いていたといいます。

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故事成語を知る辞典の解説

さわやかで、心身ともに心地よい秋の季節のたとえ。

[使用例] 秋は天高く馬肥ゆるだから、空腹の季節である[深沢七郎*百姓志願|1968]

[由来] 中国で古くから使われている表現。たとえば、八世紀、唐王朝の時代の詩人の詩には、「こうしゅう、馬はけんなり(高いところまで澄み渡った秋空の下、馬は太って健康である)」とあります。一般に、中国では「秋高く馬肥ゆ」の形で使われますが、日本では「天高く馬肥ゆ」の方が定着しています。

〔異形〕秋高く馬肥ゆ。

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