妙心(読み)みょうしん

精選版 日本国語大辞典 「妙心」の意味・読み・例文・類語

みょう‐しん メウ‥【妙心】

〘名〙 仏語。分別を離れた真実の心。ほとけの心。
正法眼蔵(1231‐53)弁道話「如来むかし霊山会上にして、正法眼蔵涅槃妙心、無上の大法をもて」

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朝日日本歴史人物事典 「妙心」の解説

妙心

没年:文化14(1817)
生年天明1(1781)
江戸時代の富士行者の即身仏(即身成仏した行者ミイラ)。横蔵寺(岐阜県谷汲村)に祀られる。横蔵寺近くの福原村で生まれ,信州・善光寺得度,のち富士行者となって食日一行妙心と名乗る。富士山麓御正体山を開き,文化14(1817)年3月,御正体山の奥の院で白木の棺に入り31日間の断食の末に入定して即身仏となった。これ以前にも享保18(1733)年富士山の7合5勺目の烏帽子岩で白木の厨子に入り,31日間の断食をして入定した食行身禄がおり,妙心の名前や入定法にこの身禄の影響が強くみられる。身禄以前にも,延宝5(1677)年に富士山頂釈迦ケ岳で安山禅師と弟子の 久円が入定している。<参考文献>内藤正敏『ミイラ信仰の研究

(内藤正敏)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「妙心」の解説

妙心 みょうしん

1779-1815 江戸時代後期の僧。
安永8年生まれ。岐阜県揖斐郡(いびぐん)横蔵(よこくら)寺に即身仏として安置されている。寺近くの神原の人。信濃(しなの)善光寺で出家,のち富士行者となって食日一行妙心と号した。富士山麓の御正体(みしょうたい)山で,文化12年入定。37歳。一説に35歳。俗名は藤原吉定,または古野小市郎。

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