姫木城跡(読み)ひめぎじようあと

日本歴史地名大系 「姫木城跡」の解説

姫木城跡
ひめぎじようあと

[現在地名]国分市姫城

手籠てご川の右岸春山はるやま台地に続く尾根上の標高一六九メートルの地にある山城。周囲は絶壁に囲まれ、天然の要害といわれる。遠望するとしろ山は湾曲した一山のようにみえるが、実際には南北の二峰があり、その間の平地は七、八町歩あるといわれた。山上からは北方近くに橘木たちばなき、東方に清水きよみず隼人はやとの各山城、遠くには霧島・桜島高隈たかくま連山を望み、南方眼下には国分平野が広がる。比売妓城・姫城城とも記し、比売之ひめの城ともいった。現在は大手門・金吾石・物見台跡・湧水池・通路・土塁などが残る。古くは熊襲大隅隼人が拠っていたとか、桂姫や大隅国司中臣伊加麻呂・中臣習宜阿曾麻呂が住んでいたなどと伝えるが(国分郷土誌)、不詳。中世には税所氏一族の姫木氏が居城とし、のち本田氏が入った。姫木氏は鎌倉時代御家人となっており、文永八年(一二七一)一二月一九日、大隅国守護代左衛門尉は守護所具官調所得分と屋鋪一ヵ所を押領されたとする同国御家人姫木藤七太夫篤季の訴えをうけ、実否確認のうえでその措置をするよう海老坂左衛門尉に命じている(「大隅国守護代施行状写」調所氏家譜)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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