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熊襲 くまそ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

熊襲
くまそ

記紀」の伝承で,九州中南部に住み,長く大和朝廷に服属しなかった種族。「風土記」では,球磨噌唹 (クマソオ) と連称しており,「クマ」は肥後国球磨郡地方を,「ソオ」は大隅国噌唹郡地方をさし,はこれらの地方に勢力をふるった種族と考えられるが確かなことは不明。人種,民族の系統は不明であるが,隼人 (はやと) と同一種族で,南方系民族とする説もある。

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デジタル大辞泉の解説

くま‐そ【熊襲/熊曽】

上代の九州南部の地域名。
記紀などにみえる種族。九州南部に勢力を張り、勇猛で大和朝廷に反抗したが、景行天皇の皇子日本武尊(やまとたけるのみこと)に討たれたとされる。
[補説]「くま」は肥後の球磨(くま)地方、「そ」は大隅(おおすみ)の贈於(そお)地方の意という。

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百科事典マイペディアの解説

熊襲【くまそ】

古代九州西南部の地域とその地に住む人々の総称。《古事記》では〈熊曾の国〉とみえる。肥後(ひご)国球磨(くま)郡,大隅(おおすみ)国贈於(そお)郡の両地方に基づく名称であろう。
→関連項目大隅国肥後国

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防府市歴史用語集の解説

熊襲

 南九州地名とそこに住む人々を指します。熊本県人吉盆地と鹿児島県国分平野を中心とした場所という説もあります。『日本書紀[にほんしょき]』や『古事記[こじき]』日本武尊[やまとたけるのみこと]が平定したと書かれています。

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世界大百科事典 第2版の解説

くまそ【熊襲】

古代日本九州の西南部の地域とそこにすむ人々の総称。《古事記》の国生みの段に,〈熊曾の国は建日別と謂う〉と見える。九州の《風土記》には熊襲は〈球磨,贈於〉と併記されるから,肥後国球磨(くま)郡,大隅国贈於(そお)郡に基づく名称であろう。おそらく大和政権の西南日本支配のセンターとされた〈熊県(あがた)〉と,〈曾県〉の間にはさまれた広大な地域に住み,いわゆる〈まつろわぬ〉人々を熊襲と呼んだものと考えられる。

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大辞林 第三版の解説

くまそ【熊襲】

◇ 古代、南九州の地名。 〔「くま」は肥後国球磨くま地方、「そ」は大隅国曽於そお地方をさすと思われる〕
を根拠地とした古代の集団。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

熊襲
くまそ

古代の南部九州の地域名、あるいはその地域の居住者の族名。熊曽、球磨贈於などとも書く。『古事記』では熊曽と書き、大八島(洲)(おおやしま)国生成の条で筑紫(つくし)島(九州)を筑紫国、豊(とよ)国、肥(ひ)国、熊曽国など四つに区分しているところから、日向(ひゅうが)、大隅(おおすみ)、薩摩(さつま)の地域、すなわち現在のほぼ宮崎・鹿児島両県の地域をさしたものとみられる。また『日本書紀』では熊襲と書き、景行(けいこう)、仲哀(ちゅうあい)、神功(じんぐう)などの各紀に、討伐を受けた族名としてみえる。さらに西海道(九州)の各「風土記(ふどき)」などには球磨贈於などとも表記されている。
 この球磨贈於の表記からすると、クマソは肥後国球磨(くま)郡と大隅国贈於(そお)郡の地域をあわせた地名で、現在の熊本県南部の球磨郡・人吉(ひとよし)市、鹿児島県北東部の一帯にあたるとも考えられている。しかしながら、古代においては複数の地名をあわせて一つの地域名とする例がほかにはほとんどみられないことからすると、この考え方には疑問もある。クマソは、ヤマトタケル(日本武尊・倭建命)による討伐物語で知られているように、つねに反大和(やまと)政権的存在であったことからすると、南部九州の未服属集団の総称とみるのがよいであろう。また「ソ」がその語幹で、「クマ」は勇猛・逆賊の意の形容とするのが妥当ともいえる。『魏志倭人伝(ぎしわじんでん)』によると、女王卑弥呼(ひみこ)と対立した狗奴(くな)国があったことが知られるが、この狗奴国をクマソとする説もある。クマソは、応神(おうじん)朝以後には『古事記』『日本書紀』ともにその名がみえなくなることや、その後の履中(りちゅう)天皇の条などからは、同じ南部九州の居住民として隼人(はやと)が登場し、概して大和政権に服属的態度がみられることからすると、隼人はクマソの後身として理解することも可能である。[中村明蔵]
『中村明蔵著『熊襲と隼人』(1973・評論社)』

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世界大百科事典内の熊襲の言及

【熊襲魁帥】より

…《古事記》では熊曾建と記す。《日本書紀》には〈熊襲の八十梟帥(やそたける)〉およびそれとは別の〈川上梟帥(かわかみたける)〉が見られるが,《古事記》は〈熊曾建兄弟二人〉とする。後者は前者を説話的に典型化したものである。…

※「熊襲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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