学校裏サイト(読み)ガッコウウラサイト

デジタル大辞泉 「学校裏サイト」の意味・読み・例文・類語

がっこう‐うらサイト〔ガクカウ‐〕【学校裏サイト】

裏サイトうち学校に関する情報交換のために開設されたもの。多くは、学生生徒が学校の承認を得ず自主的に開設し、試験などの情報交換やうわさ話をする掲示板が主な内容。また、携帯電話から、特定メンバーのみが閲覧可能なものも多い。
[補説]特定の生徒への悪口や、いじめの場面を収めた写真の掲示などで、不登校者や自殺者が出るなど、平成19年(2007)ごろから社会問題となっている。

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知恵蔵 「学校裏サイト」の解説

学校裏サイト

学校の生徒または卒業生が、学校による公式サイトとは別に立ち上げた非公式のサイト。同じ学校に通う生徒同士の交流や行事・テストなどの情報交換などに使われるのが主な目的だが、特に小学校中学校・高校を中心に、誹謗(ひぼう)・中傷の書き込みや個人情報の流布、裏サイト内でのいじめ、わいせつ画像の掲載などが問題となっている。現在では携帯電話でのアクセスが主流。サイト名に正確な学校名を表記していないものも多く、サイトの発見が難しい。そのため、正確なサイト数や規模把握は困難だが、文部科学省が2008年1~3月に行った調査で確認できた学校裏サイトの数は38,260件。全体の9割近くが巨大掲示板「2ちゃんねる」などと同じスレッド型で、サイトの多くに有害広告がついている実態もわかった。
学校裏サイトの問題が注目されるようになったのは2007年、大阪で裏サイトの掲示板に他の生徒を中傷する書き込みをした女子中学生が児童相談所に通告され、さらに管理者が名誉棄損幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検されたことがきっかけといわれている。また、同じ頃、学校裏サイトの問題を研究し続けてきた群馬大学社会情報学部大学院研究科の下田博次教授(現在はNPO青少年メディア研究協会理事長、群馬大学特任教授)が、学校裏サイトの問題についてマスコミに公表を始めた。
誹謗中傷の書き込みはイニシャルや伏せ字、フルネームで記載される。イニシャルや伏せ字の場合でも、関係者には個人が特定できるし、また、逆に個人を特定できないで、同じイニシャルを持つ人が被害に遭うケースもある。現在は匿名掲示板の開設者を刑事的に処罰する法制度がなく、決定的な対策はない。

(富岡亜紀子 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「学校裏サイト」の意味・わかりやすい解説

学校裏サイト
がっこううらさいと

学校の公式サイトとは別に、同じ学校に通う生徒たちが立ち上げた非公式のサイト。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や掲示板などを利用してグループ間の交流を目的に開設されることが多い。

 内容は、友達同士のうわさ話や芸能人の好き嫌いなどが多いが、ときに根拠のない誹謗(ひぼう)、中傷が書き込まれ、いじめの温床になるといった問題が起きている。また氏名、住所、電話番号などの個人情報をさらして(暴露して)問題となるケースも増加している。

[編集部]

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