宇宙飛行士が宇宙服を着て,宇宙船外の宇宙空間で活動を行うこと。無重量状態で宇宙服を着て行動するようすが,ウェットスーツを着用して水中遊泳をする状態と似ていることからこの名がつけられたが,正しくは宇宙船外活動(EVA,extra vehicular activityの略)と呼ぶべきである。1965年3月,ソ連(現ロシア)のボスホード2号の宇宙飛行士A.A.レオノフが10分間の活動を行ったのが最初である。アメリカは同年6月にジェミニ4号で21分間の活動を行い,その際移動には片手に持った窒素ガス噴射装置の反力を利用した。初期には宇宙船とはケーブルで結ばれ,これが酸素の補給と母船との通信,命綱の役割をしていたが,その後,自律的な生命維持装置が宇宙服に備えられるようになって,かなり自由な活動が可能となった。さらにスペースシャトルにおいては,船外活動用の照明装置,各種工具類,移動用クレーンのほか,宇宙服を着用することなく母船外活動が行えるよう,自由飛行可能な加圧室をもち,マニピュレーターおよびTV装置を備えた小型作業船などの研究開発も進められている。
執筆者:山中 龍夫
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