改訂新版 世界大百科事典 「宇検」の意味・わかりやすい解説
宇検[村] (うけん)
鹿児島県大島郡,奄美大島南西部に位置する村。人口1932(2010)。西から東へ焼内(やきうち)湾が大きく湾入し,北,南,東の三方は急峻な山地でさえぎられ,焼内湾岸のわずかな平地に集落が点在する。湾内は比較的深く,湾口に横たわる枝手久(えだてく)島が自然の防波堤となり,台風時などの避難場所となっている。大島紬,木材チップ産業が基幹産業で,農業ではサトウキビを主とし,ポンカンなどのかんきつ類,観葉植物の栽培に力を入れている。しかし若年労働力の流出があいつぎ過去20年間で人口は半減した。北部の湯湾岳(名)は奄美大島の最高峰(694m)で,一帯は亜熱帯の原生林に覆われ,アマミノクロウサギ(特天)の生息地として知られる。
執筆者:赤池 享一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報