ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルリカケス」の意味・わかりやすい解説
ルリカケス
Garrulus lidthi; Lidth's jay
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スズメ目カラス科の鳥。全長約38cm。鹿児島県の奄美大島と加計呂麻島,請島に特産の美しいカケスで,額とのどは黒く,頭頂から後頸(こうけい)と胸,雨覆や三列風切,尾は濃紫色,背と腹は栗色である。風切羽と尾羽の先端は白い。くちばしは先半分が黄白色,基部が暗青色,脚は黒い。常緑広葉樹林や林の近くの農耕地などに留鳥として生息している。3~4月に,大きな木の樹洞の中に営巣する。しかし,最近奄美大島では人家の戸袋に営巣するものもある。1腹の卵はふつう3~4個。樹洞や人家に営巣する点を除けば,習性は一般にカケスに似ていて,繁殖期以外は5~6羽の小群をつくり,枝から枝へ飛び移りながらゲェーイ,ゲェーイと鳴く。食物は雑多で,カシやシイの実,畑のサツマイモなどを好み,昆虫類もよく食べている。この鳥は羽毛が美しいので,かつては欧米に羽毛を輸出するために大量に捕獲され,一時数が非常に減少した。今日では国の天然記念物として保護されている。
執筆者:森岡 弘之
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…1腹の卵数は4~6個。カケス属には,本種のほかに,奄美大島と徳之島に分布するルリカケスG.lidthi(イラスト)と中・西部ヒマラヤ山地に分布するミヤマコンヨウキンG.lanceolatusの2種がある。なおカケス類という場合は,さらに多くの属の鳥を指すことがある。…
※「ルリカケス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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