安物買いの銭失い(読み)ヤスモノカイノゼニウシナイ

デジタル大辞泉 「安物買いの銭失い」の意味・読み・例文・類語

安物やすものいのぜにうしな

安価な物を買うと、品質が悪かったり、すぐに買い替えなければならなかったりするので、かえって損になるということ。

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精選版 日本国語大辞典 「安物買いの銭失い」の意味・読み・例文・類語

やすものかい【安物買】 の 銭失(ぜにうしな)

  1. 値の安い物は品質もそれに従って悪いので、買ってもかえって損失となる。やすき物は銭失い。安物の銭失い。安物は銭失い。
    1. [初出の実例]「吉原下駄の安ものゆゑ、買ったばかりで鼻緒が切れました。安もの買ひの銭失(ゼニウシナ)ひとは、そこらのことを言ったものだ」(出典:歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)序幕)

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ことわざを知る辞典 「安物買いの銭失い」の解説

安物買いの銭失い

安い物を買うと品質が悪かったり、すぐ傷んだりして、結局損をする。

[使用例] 「わたしはあれを買った万さんをっているが、安物買いの銭うしないで、とんだ食わせものをい込んだと、しきりにこぼしぬいていましたよ。はははははは」
 「だって、おまえさん」と、亭主は少し口を尖らせて言い訳らしく言った。「まったくお値段との相談ですよ」[岡本綺堂*半七捕物帳―化銀杏|1923~25]

[使用例] 腕も値段もランクが下の町医者の、スカに当たったということか。昔からそういうたちだった。買い物といえばバーゲンで、それがいかにもバーゲン品という安物ばかり買ってしまう。おまえは安物買いの銭失いだよ、と母によく言われた[荻野アンナマドンナの変身失格|1993]

[解説] 安い物を買ってかなり得をしたつもりが、品質が悪くて使い物にならなかったり、すぐに傷んで修理にお金がかかったりして、後からよく考えると、損をしていることがままあります。ケースバイケースですが、よい物を買おうとするなら最初から安物には手を出さず、むしろ高いものを買うほうが賢明なことが多いともいえるでしょう。ことわざは江戸後期から今日まで使われ続けており、時代が変わっても、安物につい手を出してしまう消費者心理はなかなか変わらないようです。
 古くは一六世紀ごろから「安物の銭失い」といい、「安かろう悪かろう(高かろう良かろう)」ともいいました。

朝鮮싼 것이 비지떡(安いのがおから入りお焼き)

英語〕You get what you pay for.(払った金額なりの品が手に入る)

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