ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランク」の意味・わかりやすい解説
ランク
Rank, Otto
[没]1939.10.31. ニューヨーク
オーストリアの精神分析学者。 S.フロイトの門下。初期には精神分析の原理を神話,文学,芸術の研究に適用した。フロイトはランクの能力を高く評価して愛弟子としてきたが,ランクは 1924年にあらゆる神経症は出生時における外傷,すなわち母親からの分離不安に起因するという理論を立ててフロイトと決別した。 24年以降は主としてパリとアメリカに住み,36年アメリカに定住。その後は精神療法の研究に従事。精神分析の雑誌"Imago"を編集 (1912~24) 。主著『芸術家』 Der Künstler (07) ,『英雄生誕の神話』 Der Mythus von der Geburt des Helden (09) ,『出産外傷』 Das Trauma der Geburt (24) 。
ランク
Rank, Joseph Arthur, 1st Baron Rank
[没]1972.3.29. ハンプシャー,ウィンチェスター
イギリスの映画会社経営者。製粉業を営むメソジスト派の慈善事業家の家庭に育ち,宗教映画制作から転じて,1935年ブリティッシュ・ナショナル映画会社を設立,のち第2次世界大戦中から戦後にかけてイギリス映画界を支配したランク・オーガニゼーションに発展させた。映画産業斜陽化後,ホテル経営など,他分野の事業にも進出した。
ランク
Ranch, Hieronymus Justesen
[没]1607
デンマークの劇作家。宗教改革以後に起った文芸復興の先頭を切った劇作家で,王室の依頼を受けて『ソロモン王の忠誠』 Kong Solomons Hylding (1585) を書き,また『捕われのサムソン』 Samsons Fængsel (99) を書いた。喜劇『けちな悪党』 Karrig Nidding (1633刊) はハンス・ザックス風のファルスで,のちのホルベアの喜劇の先駆とみられる。
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