宝塚古墳〈三重県〉(読み)たからづかこふん

国指定史跡ガイドの解説

たからづかこふん【宝塚古墳〈三重県〉】


三重県松阪市宝塚町・光町にある古墳。伊勢湾を遠望する丘陵に位置する、大小2基の伊勢地方最大の前方後円墳である。一帯では、1928年(昭和3)に推定も含めて88基の古墳が確認されていたが、開発によって現在は、中心的古墳といえる2基だけになった。1号墳は全長111mの前方後円墳で後円部径75m、前方部を東に向け、北側のくびれ部には祭祀の場と考えられている造り出しがあって、この地の豪族だった飯高氏の祖、乙加豆知命(おとかずちのみこと)の墓とする説がある。墓の北西約1kmにある阿形(あがた)を本拠地とした飯高氏は、大和朝廷に接近して繁栄したと考えられている。円筒埴輪(はにわ)をはじめ、盾形・家形・太刀形など、豊富な種類の埴輪が出土し、古墳は4世紀末~5世紀初頭の築造と考えられる。船形埴輪は全長140cm、高さ90cmで日本最大であるとともに独特の装飾がなされ、第1級の埴輪資料として、2006年(平成18)に1号墳の他の出土品とあわせて国の重要文化財に指定された。2号墳は1号墳の北に位置する全長89mの造り出しのある前方後円墳で、後円部径は約83mである。時期的に、1号墳より後に築造されたと考えられ、2号墳も周囲に埴輪が並べられていたことが確認された。ともに1932年(昭和7)に国の史跡に指定され、2号墳についてはその後の調査によって前方部が極端に小さい帆立貝形の前方後円墳であることが確認されて、一部が指定地外に及んでいることが判明したため、1978年(昭和53)に指定範囲が追加された。現在、埴輪の模型を並べるなどの整備が行われ、宝塚古墳公園として一般に公開されている。JR紀勢本線ほか松阪駅から三重交通バス「田村」下車、徒歩約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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