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実体特許法条約 じったいとっきょほうじょうやく substantive patent law treaty

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知恵蔵2015の解説

実体特許法条約

2000年に採択された特許法条約では出願手続きの統一、簡素化が図られたが、実体面での国際調和を進めるために日米欧などの先進諸国41カ国が特許制度そのものの統一についての合意を目指している条約。特許権の起算に関する先願主義の採用や学会で発表された特許出願などにかかわる1年間の猶予期間の付与、出願された特許内容の1年半後の公開などが大きなポイントである。主要国では唯一、米国が先発明主義を採用し、サブマリン特許の弊害など国際調和の観点から問題となっていたが、米国が世界の大勢である先願主義に移行することは大きな進歩である。また、特許権は新規性が重要な要素で、欧州では出願前に学会発表した場合には新規性を失い特許権は否定されていたが、この面では発表後1年以内(日本の場合は半年)であれば新規性を失わないとする米国基準の猶予期間(グレースピリオド)が有力である。また、出願内容の公開については、米国では公開しないケースがあるが、一律に例外なく1年半後に公開することとなった。これにより主要国間では統一基準に基づいた世界特許構想が具現化される見込みであるが、これらはまだ条約案の段階で、その採択や発効あるいは各国での批准には紆余曲折(うよきょくせつ)が予想される。また、この条約会議に中国が参加していないことも懸念材料として残る。

(桜井勉 日本産業研究所代表 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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