客引き(読み)キャクヒキ

デジタル大辞泉 「客引き」の意味・読み・例文・類語

きゃく‐ひき【客引き】

[名](スル)旅館・バー・キャバレーなどで、客に声をかけて誘い入れること。また、それを仕事とする人。客取り。→客待ち1
[類語]宿引きぽん引き

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精選版 日本国語大辞典 「客引き」の意味・読み・例文・類語

きゃく‐ひき【客引】

  1. 〘 名詞 〙 旅館、遊郭などで、客を自分の方へ誘い引き寄せること。また、それを仕事とする人。客取り。
    1. [初出の実例]「神戸居留地兵庫ホテルの客引英国人ウォーターは」(出典:東京日日新聞‐明治二六年(1893)六月九日)

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改訂新版 世界大百科事典 「客引き」の意味・わかりやすい解説

客引き (きゃくひき)

道行く人を自己,あるいは依頼者の商売の客とするために,任意の街路上で誘い寄せる行為,もしくは,それを生業とする人をいい,とくに売春などにからむ悪質なものは〈ぽん引〉とも呼ばれる。通常,店頭で大声を出し,任意の通行人の関心を引こうとする〈呼込み〉とは区別される。明治初年には,楊弓場麦湯・甘酒屋の娘,あるいは人力車夫乗合馬車馬丁,さらには写真師が客引きの代表格とみなされたようであるが,1878年には,公衆往来の安全と安心を妨害するかどで禁止されるようになった。今日でも事情は同じで,呼込みの規制は地方によりまちまちであるが,客引きはいずれの地方においても禁止されている(風俗営業等取締法および同法3条に基づく各都道府県の条例)。しかし,現在でも温泉をはじめとする観光地の駅頭にははっぴ姿の旅館の客引きが列をなし,夜の盛場には,いわゆるピンク・サロンや個室付浴場,あるいはブルー・フィルム上映や売春などとかかわる客引きが出没することは周知の事実となっている。
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