デジタル大辞泉 「宣ぶ」の意味・読み・例文・類語 のとう・ぶ〔のたうぶ〕【▽宣ぶ/×曰ぶ】 [動バ四]《動詞「の(宣)る」に「とう(賜)ぶ」の付いた「のりとうぶ」の音変化。一説に、「のたまう」「のたぶ」の音変化とも》1 「言う」の尊敬語。「のたまう」に比べ、敬意は低い。おっしゃる。「去年こぞより、いとせちに―・ぶことのあるを」〈かげろふ・下〉2 (勅撰集詞書など、尊者に対するあらたまった場面で自己側の動作として用いる)言ってやります。「思ふ人侍りける女に、物―・びけれど」〈後撰・恋一・詞書〉 のた・ぶ【▽宣ぶ】 [動バ四]《動詞「の(宣)る」に「た(賜)ぶ」の付いた「のりたぶ」の音変化》「言う」の尊敬語。おっしゃる。「雨は降る去ねとは―・ぶ笠は無し」〈梁塵秘抄・二〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「宣ぶ」の意味・読み・例文・類語 の‐とう・ぶ‥たうぶ【宣・曰】 〘 他動詞 バ四段活用 〙 ( 動詞「のる(宣)」に四段活用動詞「とうぶ(賜)」の付いた「のりとうぶ」の変化したもの。一説に、「のたまう」また「のたぶ」からの変化とも ) 「のたまう(宣)」に同じであるが、下位に申し聞かせる気持が強く、尊敬語として用いたものは、敬度がやや低いと考えられる。① =のたまう(宣)①[初出の実例]「きんぢが寮の頭の、去年よりいとせちにのたうぶことのあるを」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)② =のたまう(宣)③[初出の実例]「もののたうびける人のもとに、また人まかりつつせうそこすとききて」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・五八九・詞書) の‐た・ぶ【宣】 〘 他動詞 バ四段活用 〙 ( 動詞「のる(宣)」に四段活用動詞「たぶ(賜)」の付いた「のりたぶ」の変化したもの ) 「のたまう(宣)」に同じであるが、語の性質は「のとうぶ(宣)」に近い。① =のたまう(宣)①[初出の実例]「ぬしののたふ事も、あまのがはをかきながすやうに侍れど」(出典:大鏡(12C前)五)② =のたまう(宣)②[初出の実例]「冠位の法度(のり)の事を施(ノタヒ)行ひたまふ」(出典:日本書紀(720)天智一〇年正月(北野本訓)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例