室積(読み)むろづみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「室積」の意味・わかりやすい解説

室積
むろづみ

山口県南東部、光(ひかり)市の一地区。旧室積町。陸繋島(りくけいとう)の室積半島がつくる良湾に沿って発達した港町古代中世石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)の荘園(しょうえん)の室積庄(しょう)。近世の室積浦は萩(はぎ)藩室積会所が置かれ、防長米の積出し港として栄えた。明治以降、山陽鉄道の路線から外れて停滞したが、現在は住宅地区となっている。室積海岸には海水浴場があり、海岸沿いに国道188号が走る。

三浦 肇]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「室積」の意味・わかりやすい解説

室積
むろづみ

山口県南東部,周防灘に面する光市南部の地区。旧町名。 1943年光町と合体して光市となる。峨嵋 (がび) 山が陸繋島化した室積半島の砂州に立地。天然の良港室積湾にのぞみ,江戸時代には防長米の積出港,風待ち港として栄えた。漁民船乗り信仰のあつい守護神普賢寺がある。瀬戸内海国立公園に属し,松原海岸,象鼻 (ぞうび) 岬,千坊山などは風光明美。ヨット競技やキャンプでにぎわう。峨嵋山樹林は天然記念物。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の室積の言及

【光[市]】より

…人口4万6830(1995)。島田川上流から運ばれた土砂は堆積して虹ヶ浜や室積(むろづみ)の陸繫島をつくり,海上には牛島,大水無瀬(おおみなせ)島,小水無瀬島などが浮かぶ。市域には中世,国衙領小周防(こずおう)保や石清水(いわしみず)八幡宮領室積荘があった。…

※「室積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android