富楼那(読み)フルナ

デジタル大辞泉 「富楼那」の意味・読み・例文・類語

ふるな【富楼那】

《〈梵〉Pūrṇamaitrāyaṇīputraの音写富楼那弥多羅尼子」の略》釈迦しゃか十大弟子一人。教えを弁舌さわやかに説くことにすぐれ、弟子の中で説法第一と称された。

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精選版 日本国語大辞典 「富楼那」の意味・読み・例文・類語

ふるな【富楼那】

  1. ( [梵語] Pūrṇamaitrāyaṇīputra の訳、富楼那彌多羅尼子の略 )
  2. [ 1 ] 紀元前五世紀の人。釈迦の十大弟子の一人。釈迦と同じ日に生まれたといわれる。出家し、悟りを開いてのち各地に布教し、仏弟子うち、弁舌第一と称された。生没年不詳。
  3. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]より転じて、多くあざけりの気持をこめて ) 雄弁家、おしゃべりの人の意にいう。
    1. [初出の実例]「今我をれ目に見ぬ冨楼那(フルナ)大矢数 木の下闇愚痴槃特」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「富楼那」の意味・わかりやすい解説

富楼那
ふるな

(1)釈迦(しゃか)十大弟子の一人。サンスクリット語プールナ・マイトラーヤニープトラPūra-maitrāyaīputraの音写の略。釈迦の故郷カピラバストゥにほど近い町のバラモンの家に生まれ、釈迦最初の弟子で、叔父であるアジュニャータ・カウンディヌヤAjñāta-kauinya(阿若憍陳如(あにゃきょうちんにょ))に導かれて出家した。説法第一といわれ、シャーリプトラ舎利弗(しゃりほつ))との問答で知られる。(2)釈迦の弟子。商人の家の生まれ。サンスクリット語プールナPūraの音写。インド西方の教化にあたって、釈迦と交わした熱烈な求道(ぐどう)の問答は有名。その決意に感心した釈迦は快く西方伝道を許した。

[石上善應 2016年12月12日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富楼那」の意味・わかりやすい解説

富楼那
ふるな
Pūrṇa

インドの僧。サンスクリット語 Pūrṇamaitrāyaṇīputraの音訳である富楼那弥多羅尼子の略。釈尊十大弟子の一人。説法することがきわめて上手であったことから説法第一の阿羅漢と称された。

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世界大百科事典(旧版)内の富楼那の言及

【十大弟子】より

…空を説く大乗経典にしばしば登場する。(5)富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし) サンスクリット語でプールナマイトラーヤニープトラPūrṇamaitrāyanīputra。説法第一。…

※「富楼那」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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