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寝覚物語絵巻 ねざめものがたりえまき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寝覚物語絵巻
ねざめものがたりえまき

菅原孝標女の作といわれる『夜の寝覚 (寝覚物語) 』の絵巻化作品。 12世紀後半成立。紙本着色,1巻。国宝。大和文華館蔵。『源氏物語絵巻』の作風を継ぐ作り絵式の物語絵巻であるが,人物表現の小型化,形式化が進む。一方,金銀箔の配された繊細で装飾性の強い自然景や季節感の表現に,鎌倉時代につながる感覚がみられる。現存部分は『夜の寝覚』の末尾欠失部にあたると思われ,物語自体の原型復元にも役立つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寝覚物語絵巻
ねざめものがたりえまき

絵巻。奈良・大和(やまと)文華館蔵。国宝。平安末期(12世紀後半)の作と推定される。菅原孝標(すがわらのたかすえ)の女(むすめ)の作とされている『寝覚物語(夜(よる)の寝覚)』に取材したもので、現在、詞(ことば)四段、絵四段の一巻が伝わる。もと数巻からなったと思われ、現存の一巻は末尾の部分が残ったとされる。主人公「ねざめの上」(太政(だいじょう)大臣の女、中(なか)の君(きみ))の出家後の話を扱い、嫡男まさこ君と冷泉(れいぜい)院の女三の宮の仲を院に裂かれたねざめの上が、世を悲しみ身を隠し、彼女に思いを寄せる冷泉院はねざめの上の出家を知って深く悲しむ、という内容を描く。この部分は物語の本文(第五巻以後)が欠失していて内容不詳の画面もあるが、詞はその本文の欠損を補う意味で貴重である。絵は地紙に金銀の切箔(きりはく)を撒(ま)き、鮮麗な色彩の作絵(つくりえ)で描くなど装飾性が著しく、王朝末期の繊細優美な作風を伝える。[村重 寧]
『小松茂美編著『日本の絵巻1 寝覚物語絵巻他』(1987・中央公論社) ▽白畑よし編『新修日本絵巻物全集17 寝覚物語絵巻他』(1980・角川書店)』

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