普及版 字通 「寧(漢字)」の読み・字形・画数・意味
寧
常用漢字 14画
(旧字)
14画
(異体字)
12画
[字訓] やすらか・むしろ・なんぞ
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
宀(べん)+心+皿(べい)+(こう)。宀は。皿上に犠牲の心臓を載せ、之れを高く揚げている形。〔説文〕五上に「願ふ詞なり。に從ひ、(ねい)聲」とするが、もとと同字であろう。〔説文〕はまた別に・(ねい)を出だし、三下にも「願ふなり」とあって、祈願の意とする。七下に「安らかなり」と訓するが、みな安寧を願い祈る字で、もと同字と考えられる。「むしろ」「なんぞ」は乃などと音が通じ、仮りて用いる用法である。
[訓義]
1. やすらか、やすんずる、さだまる、おちつく、しずか、ねんごろ。
2. おとなう、安否を問う、さとがえり、父母の服喪。
3. 而・乃などと通じ、しかるに、はた、すなわち、むしろ、なんぞ、いずくんぞ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ムシロ・ヤスシ・イカムゾ・ネムコロ・シヅカニ・ツレツレ・ヨシ・スナハチ・オモフ・カツテ/丁 ネムコロ/無 ムシロ/ ヤスム・スルトコロ
[声系]
〔説文〕に声として濘を収め、また未収の字に獰がある。濘(ねい)は泥、獰(どう)は獰猛で、ともに別系の語と思われる。
[語系]
nyeng、而nji、乃(廼)nは声近く、通用することがある。王引之の〔経伝釈詞〕に、について「願ふ詞なり」のほか「なんぞ、あに、まさに、すなわち、語助」の例をあげる。他にも「それ、あるいは、ベし」などの用法がある。
[熟語]
寧安▶・寧晏▶・寧一▶・寧壱▶・寧宇▶・寧盈▶・寧佳▶・寧家▶・寧嘉▶・寧乂▶・寧▶・寧吉▶・寧居▶・寧渠▶・寧馨▶・寧固▶・寧康▶・寧考▶・寧国▶・寧済▶・寧歳▶・寧止▶・寧日▶・寧集▶・寧輯▶・寧粛▶・寧処▶・寧帖▶・寧神▶・寧人▶・寧静▶・寧靖▶・寧息▶・寧泰▶・寧丁▶・寧底▶・寧謐▶・寧平▶・寧便▶・寧民▶・寧楽▶・寧乱▶
[下接語]
安寧・晏寧・永寧・燕寧・嘉寧・乂寧・咸寧・帰寧・休寧・洪寧・荒寧・康寧・遑寧・告寧・輯寧・綏寧・清寧・静寧・長寧・丁寧・謐寧・不寧・撫寧・保寧・邦寧・無寧・来寧・和寧
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報