工場,倉庫,事業所等の構内に貨車を出入りさせ,工場等の中で貨物の積み降ろしを行うために,駅の構内等から分岐して敷設された,いわゆる引込線で,荷主が費用を負担して敷設したJR側線のことをいう。JRにおける貨物の積み降ろしは,通常,貨物取扱駅の貨物積降し場で行われることが多い。これは,専用線が駅と荷主の戸口間の自動車による道路集配を必要とせず,荷主にとって輸送コストの軽減,荷役の合理化がはかれる等の利点をもっているからである。JRにとっても省エネルギー,安全性,大量性等の鉄道の特性を発揮し得る大量・定型輸送の推進の面で効果的である。1997年度現在の専用線接続駅は187駅,総延長は591.7kmである。
執筆者:常山 稠留
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報