中国、清(しん)末の秘密結社。別名匕首会(ひしゅかい)。天地会の一分派。1853年、広東(カントン)省香山県出身の劉麗川(りゅうれいせん)に率いられて蜂起(ほうき)した。会員には広東、福建出身の商人、舟乗り、人夫、遊民が多く、頭を紅巾で包み短刀を帯び、「反清復明(ふくみん)」を唱えた。上海(シャンハイ)に隣接する青浦県で起こった抗糧(税の不払い)暴動と結んで上海を占領、太平天国と提携しようとしたが失敗、孤立した。しかし租界の洋商から武器、食料の供給を受け、また租界を守備する外国軍隊に清軍の行動が妨げられたことに助けられて、1年5か月にわたり上海の占領を維持した。その後、清軍は外国の協力を得ることに成功し、55年2月、劉麗川が戦死して乱は鎮圧された。
[西川喜久子]
清代中期以後に発展した天地会,三合会と同系の一派で,反清復明を主義とする秘密結社。小刀会の組織は広東,福建,浙江(せっこう)の下級船員,都市労働者,華僑(かきょう)などの間に発達し,農村にもかなり普及していた。太平天国の長江流域進出によって各地の小刀会も革命化し,1853年5月には華僑を中心とする厦門(アモイ)周辺の小刀会が挙兵し,同年9月には広東,浙江の小刀会が上海で挙兵した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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