18世紀後半以来、台湾を含む華南各地ならびに東南アジアの華僑(かきょう)の間に存在した民間秘密結社天地会の別名。三点会、添弟(てんてい)会、小刀会なども同系の結社で、洪門(こうもん)と総称される。かならずしも統一的な組織ではなく、地方ごとに多くの組織が存在した。交通・運輸関係労働者や鉱山労働者、遊民層をおもな構成員としたが、清(しん)末には一部の在野読書人や農民をも含んでいた。その起源には諸説あるが、今日では1760年代に福建の漳州(しょうしゅう)で創立されたとする説が有力である。血をすすりあって、異姓の人が義兄弟の契りを結び、平時は相互扶助の機能を果たした。1786年台湾の林爽文(りんそうぶん)の乱以来、「打富済貧」「順天行道」などのスローガンを掲げてしばしば反乱を起こし、19世紀以降は「反清復明(はんしんふくみん)」の「革命」スローガンを掲げるものも出現し、辛亥(しんがい)革命に大きな役割を果たした。
[小島晋治]
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清末に中国南部で活動した天地会系の秘密結社。反清復明を主義とし,太平天国の乱の当時広東,広西で最も勢力があった。南洋各地の華僑(かきょう)の間では三合会組織がきわめて広く普及し,これが華僑社会の自治自衛機関の役割を果たしていた。
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…前近代には白蓮教などほとんど〈教匪〉一色だったのにたいし,近代に会党が簇出(そうしゆつ)したのは時代の一特色なのである。会党の起源は清初の天地会に求められるが,近代で著名なのは華南の三合会,華中の哥老会など,いわゆる紅幇(ホンパン)である。同性質のものでも名称を異にするものはきわめて多く,青幇(チンパン)も広義には会党に含められる。…
…天地会はその対外呼称でみずからは洪門と称した。三合会,三点会などその異称は多い。康熙(1662‐1722)初年,鄭成功の抗清闘争が失敗したあと,華南地方に起源するとされ,乾隆(1736‐95)末年の台湾での林爽文の反乱(1786‐87)から官憲の注目をあびるにいたった。…
…白蓮教の支派末流は,ごく近年まで根強く活動し,1900年の義和団運動のほか,在理教,黄天道など種々の名で華北一帯の民衆の間に信仰されていたが,その一つである一貫道は,現在も台湾で活発に布教している。 これらとは別に,清代には異民族支配に反抗して漢族の明王室を再興しようとする政治的秘密結社が早くから華南の地に興り,天地会,哥老会,三合会などと称され,辛亥(しんがい)革命(1911)の前後になると,孫文らの革命勢力とも呼応して軍事的な貢献があった。なお,近代中国の秘密結社は,国民党と青幇(チンパン),共産党と紅槍会などの結びつきにみられるように,政治動向の帰趨を左右するほどの大きな勢力を維持していたことに注意しなければならない。…
※「三合会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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