日本大百科全書(ニッポニカ) 「小白山脈」の意味・わかりやすい解説
小白山脈
しょうはくさんみゃく / ソベクサンメック
韓国(大韓民国)東部の太白山脈から分岐し、南西方向に延び、中部、嶺南(れいなん)、湖南の3地方の分水嶺をなす脊梁(せきりょう)山脈。智異山(1915メートル)、北徳裕山(1594メートル)、国望峰(1442メートル)、俗離山(1057メートル)などを擁し、韓国南部の広い範囲にわたって1000メートルを超える山地を形成する。小白山脈の地質は主として花崗片麻(かこうへんま)岩からなり、山麓(ろく)には侵食盆地が展開する。それらの盆地、たとえば慶尚南道の咸陽(かんよう)、山清、河東、居昌(きょしょう)、全羅北道の南原、全羅南道の求礼などは地方文化の中心地となっている。これらの市や邑(ゆう)(町)の間は険しい峠が交通の障害となっている。峠には栄州―丹陽間の鳥嶺(642メートル)、金泉―永同間の秋風嶺(548メートル)、咸陽―鎮安間の六十嶺(604メートル)などがある。
[森 聖雨]