履行政策(読み)りこうせいさく[ドイツ](その他表記)Erfüllungspolitik

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「履行政策」の意味・わかりやすい解説

履行政策[ドイツ]
りこうせいさく[ドイツ]
Erfüllungspolitik

第1次世界大戦に敗れたドイツが「命令された平和条約」としてベルサイユ条約を受諾し,これを忠実に履行しようとした政策中央党の K. J.ビルト首相は同条約の履行のため,いわゆる「履行政策」を提唱し,そのなかで同条約の修正の機会をつかもうとした。しかし敗戦に不満をもつドイツ国民は承知せず,1922年6月 24日,履行政策の代弁者として W.ラーテナウ外相が暗殺された。 23年1月フランスによるルール占領でドイツ国民の憤激頂点に達し,これに伴う経済・社会的不安が激化した。結局 24年アメリカの仲介ドーズ案成立,ドイツも受諾して履行政策に復帰した。 (→ドイツ賠償問題 )  

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「履行政策」の解説

履行政策(りこうせいさく)
Erfüllungspolitik

第一次世界大戦後連合国によりドイツに課せられた賠償要求の履行に努め,連合国による制裁を阻止すると同時に,賠償の完全実施が不可能かつ連合国に不利であることを示し,その改訂を平和的に達成しようとした政策。ヴィルト内閣がロンドン最後通牒を受諾したのに始まる。右翼はこれを激しく攻撃,以後ヴァイマル共和国に対する攻撃の的(まと)となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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