山内義雄(読み)やまのうちよしお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山内義雄」の意味・わかりやすい解説

山内義雄
やまのうちよしお
(1894―1973)

仏文学者。東京・牛込(うしごめ)(現新宿区)に生まれる。東京外国語学校卒業。京都帝国大学法学部に籍を置き、上田敏(びん)の薫陶を受ける。京大中退後、東京に戻り、東京外語の講師を務める。1927年(昭和2)から早稲田(わせだ)大学で教鞭(きょうべん)をとり、多くの後進を育てた。詩人クローデル親交を結び、ジッド(『狭き門』『贋金(にせがね)つかい』など)、ロジェ・マルタン・デュ・ガール(『チボー家の人々』)、ジュール・ロマンなど多くの名訳を残す。また、訳詩集『仏蘭西(フランス)詩選』(1923)は詩壇に多くの影響を与えた。没後、生前の文章をまとめた『遠くにありて』が刊行されている。

[窪田般彌]

『『遠くにありて』(1975・毎日新聞社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山内義雄」の解説

山内義雄 やまのうち-よしお

1894-1973 大正-昭和時代のフランス文学者。
明治27年3月22日生まれ。ジッド「狭き門」,マルタン=デュ=ガール「チボー家の人々」(昭和25年芸術院賞)などの名訳をのこす。またポール=クローデルと親交をむすび,日仏文化交流に貢献して昭和16年レジオン-ドヌール勲章。早大教授。41年芸術院会員。昭和48年12月17日死去。79歳。東京出身。東京外国語学校(現東京外大)卒。

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