岩屋峠(読み)いわやとうげ

日本歴史地名大系 「岩屋峠」の解説

岩屋峠
いわやとうげ

河内・大和にまたがる峠。標高四七四・二メートルの二上南方に所在。「大和志」に「岩屋越石川郡界至御所三里余」として「所歴曰長尾曰今市曰大畑曰弁荘曰南花(内カ)曰忍海曰薑曰松本」とある。岩屋越は当麻寺の北から当麻山口たいまやまぐち神社の傍らを通り、二上山雌岳と万歳まんざい山との間の岩屋峠を越え竹内たけのうち街道と合い、河内側の大和川支流、いし川流域に達する。二上山登山道でもあり、沿道には国史跡の鹿谷ろくたん寺跡・同岩屋いわや(大阪府南河内郡太子町)高尾たかお寺跡・神願しんがん寺跡などの古代遺跡が存する。「西国名所図会」には

<資料は省略されています>

と記し、挿図として巡礼姿の人びとなどの往来する様子を描いている。近世には信仰の道としても大いに利用されたのであろう。


岩屋峠
いわやとうげ

山田やまだ東部二上にじよう山の(四七四・二メートル)と南方の万歳まんざい(三九七メートル)の間にある。かつては河内・大和の境で、現在は奈良県北葛城きたかつらぎ當麻たいま町との境。「河内志」に「岩屋嶺葛下郡界至山田二十町」とみえる。「西国三十三所名所図会」に「一回脚を踏み違ふときは忽ち数十間をすべる、俗に是を石車といふ、河内より大和路に越る内にて第一の難所」とあるが、万歳山の南を竹内たけのうち街道が通り、当麻(現當麻町)への便がよく、大いに利用された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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