日本歴史地名大系 「岩櫃山遺跡」の解説
岩櫃山遺跡
いわびつやまいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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群馬県吾妻郡東吾妻町原町にある標高802mの岩櫃山山頂近くの岩陰を利用した弥生時代の墓地。1939年に杉原荘介らによって発掘調査された。吾妻川の北岸にある比高約400mの険しい山で,諸所に岩陰や半洞窟が見られる。そのなかの鷹ノ巣岩陰では,100m2ほどの広さの岩床に19個の土器が3群にわけて埋置され,また2ヵ所に各1個ずつの土器がおかれていた。土器群の近くには,男女の人骨が2個体以上あった。土器中からは人骨片は発見されていないが,第2次大戦後になって千葉県天神前遺跡の調査例から,土器は容骨器の役目をはたし,この種遺跡が再葬墓という東日本の初期弥生時代を特色づける特殊な埋葬遺跡であることがわかった。出土したいずれの土器も同型式で,北関東地方の初期弥生時代を代表する土器として,岩櫃山式の名がつけられている。
執筆者:工楽 善通
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
群馬県吾妻(あがつま)郡東吾妻町原町の岩櫃山の鷹の巣岩陰(たかのすいわかげ)にある弥生(やよい)時代中期の岩陰墓遺跡。1939年(昭和14)に杉原荘介(そうすけ)(1913―1983)らにより発掘調査が行われ、約100平方メートルの岩陰の岩床から19個体の弥生土器が検出された。このなかの2個の土器に男子の頭骨の一部と女子の四肢骨の一部が納められていたことから、遺骸(いがい)を洗骨した後に土器に入れてふたたび埋葬し直すという再葬墓的性格をもった遺跡であることが判明した。出土土器に東海地方の弥生時代中期初頭の丸子(まりこ)式土器にみられる条痕文(じょうこんもん)の施されるものが多く、弥生文化の東漸の経路を知ることができる。この遺跡の土器は岩櫃山式として北関東地方西部の弥生時代中期前半に編年されている。現在は遺跡地付近の崩壊が激しく、現地に到達することは困難である。
[竹沢 謙]
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